PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: しろべに。 ( No.4 )
- 日時: 2010/10/17 20:04
- 名前: 卵白 (ID: lTlVXzN9)
◆第三話
「灰田、さん」
ふいに声をかけられた。
振り返ると、王城がいた。
にやにやと笑いながら、こちらを見ている。
なにか私をからかおうとしているんだな。
また私を笑い物にしようとしているんだな。
嫌な気分で私は答えた。
「何」
「あのさ、これからよろしく。俺ちょっと抜けてるとこあるから、灰田さんがいてくれると助かるかも」
「あ…よろしく…」
「うん!じゃあ」
満面の笑み。
こんなことをされたのは初めてだ。
何もかもいつも通り、じゃなかったんだ。
私は脱力して椅子に腰かけていた。
あんなやつもいるんだ。
チャラチャラしてるやつにも、あんなやついるんだ…。
満面の笑みで、私と話してくれるようなやつが。
みんないつも私と話す時は、
困っているときだったり、
怒っているときだったり、
事務的な連絡の時だったりで、
笑顔の人なんかいなかった。
…王城が、初めてだった。
PR