コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 真白‐masiro‐ ( No.116 )
- 日時: 2010/09/25 17:32
- 名前: 杏樹. (ID: W3aU.Uy/)
私は急いで玄関に向かい、ドアを開けた。
—————……、
「お兄様っ!? お兄様はどこにいるんです!?」
「ちょっと!! 雅玖はどこにいるのよっ!!」
…………。あの、貴方達は誰……?
そこには顔を真っ赤にして怒っている2人の女の子が……。
2人とも顔がよく似ている。この子達、きっと姉妹だ……。
ってか……「お兄様」って誰よ?
「あの、どちら様でしょうか……?」
「だから!! 雅玖はどこにいるのよっ!?」
あの……、答えになってないんですけど……。
……え? 『雅玖』? ……って、七瀬の事だよね?
「そうですっ!! お兄様、どこにいるんですっ!? この家の中ですか!?」
『雅玖』……『お兄様』……?って、まさか……
「あの、貴方達……七瀬の妹?」
「今更気づいたんですかっ!?」
「今更気づいたのっ!?」
妹達2人は同時に同じ事を言った。……さすが姉妹。
「では、中にお兄様がいるなら……、……お邪魔します」
「うぁぁ!! 待って!!」
私は中に入ろうとする2人を慌てて止めた。
「待って!! 勝手に入らないでよ!!」
「『勝手に』? 『お邪魔します』と言ったでしょう?」
七瀬妹の片方……が、少しムッとしながら言った。
「そうじゃなくて!! ……七瀬なら私が呼んでくるから!!」
私は七瀬妹達に背を向け、七瀬(兄)を呼んでくるために家の中へ戻ろうとした。と、そのとき……
……ドンッ!!
くるっとまわれ右した瞬間、何かにぶつかった。
「痛たた……って—っ!!」
「呼んだか?」
そこにはいつの間にか七瀬(兄)が……。
「うぁ……!! アンタ、いつの間に……っ!!」
「さっきからお前の後ろに立ってたけど」
全っ然気づきませんでした…!!
「それにしても……
はぁ……ビックリし……
——————……ドンッ!!!!!!! ……
「お兄様っ!! この女の家で何してたんですっ!?」
「どこ行ったのかと思ったら……!! 何よ!! 授業抜け出してまでこいつの家に行きたかったわけ!!??」
七瀬妹2人に突き飛ばされた……痛い……。
「ぁー、五月蝿い、五月蠅い……お前らしばらく黙れ」
七瀬は面倒臭そうに言う。
「「黙ってられるかぁぁぁぁ!!」」
……はぁ、なんなのこの姉妹(+兄)は……。
「とと、とりあえず……家の中で……話しましょうか……?」
玄関先で怒鳴られちゃ困る。そう思った私は、七瀬妹達を家の中に入れた。
* * * *
「全く……何であたしがコイツの家の中にいるのよ……調子に乗らないでくれる?」
調子に乗ってるつもりじゃないんですけど……。
「本当です……私たちはお兄様を連れ戻しに来たんですよ?
東雲さんが淹れたお茶なんか飲みたくありませんわ」
……とか言って飲んでるじゃん……。
「ねぇ、七瀬……この子達、……何?」
私は小声で七瀬に話しかけた。
「『調子に乗らないでくれる?』とか偉そうに言ってるのが七瀬沙耶。飲みたくないとか言いながら紅茶を一気飲みしてるヤツが七瀬沙奈」
はぁ……なるほど……。
「あ、妹って言っても同い年だけどな? ……しかも同じクラスだし……お前、見覚えないのか?」
え……同じクラスだったんだ……全く見覚えないんだけど……