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Re: 真白‐masiro‐ ( No.187 )
日時: 2010/09/25 20:31
名前: 杏樹. (ID: W3aU.Uy/)

「んじゃ、あたしは家に戻るからーっ!!」

東雲家の前に止まった、黒い高級車……

それに乗り家へ戻った双子の姉を見送り終え……

私・七瀬沙奈は、学園の通学路を1人で歩いていた。

「私は学校に戻らないと……」

と、そのとき……

チャラララー……♪

鞄の中から携帯の着信音が聞こえる。

慌てて携帯を取り出し、画面を見ると……

それは、ある『依頼者』からのメール。


「うぁ……こんなときに依頼ですか……」

まぁ、いいか……私の『用事』っていうのはただのクラスメイトからの呼び出しだし……

呼び出しなんて、たいした用じゃないだろうし……

「久しぶりに依頼を受けましょうか……」


——————受信メール————……

—————……ホワイトキャッスルの会長さんへ。……

 『私の彼氏の浮気相手を突きとめてください』

     ———————————

その後……メンバーから『依頼者が教室で待ってる』という電話をもらい、急いで旧校舎へと向かった。

『第2美術室』——————……

今では使われていないこの教室が、私達、『ホワイトキャッスル』の活動場所。

ガラガラガラ……

扉を開けて真っ先に目にはいったのは、イスに座って泣いている1人の女の子。

なるほど、あの子が『依頼者』ね——————……

「こんにちは。会長の七瀬沙奈です」

私は女の子を取り囲む20人ほどのメンバー達の中に割って入り、女の子の正面にあるイスに腰掛けた。

「私が、会長に依頼をした……1年の小鳥遊……有澄……で……す……」

「とりあえず……落ち着いて?ね?」

「ぐすっ……はい……」


それからしばらくして女の子が泣き止んだ。私は『依頼』について、小鳥遊さんに問いかけてみた。

「依頼について……詳しく話してもらえますか?」

         ——————

1年Cクラスの小鳥遊有澄。彼氏は同じクラスの伊吹潤夜。

昨日のお昼休み、彼と話していると…小鳥遊さんは、あることに気がついたらしい。

『いつもはアクセなんかしない潤夜が、ネックレスをつけている』

と……。

それについて訊いても、彼は『何でもない』と答えるだけだったらしい。

そして帰り道……小鳥遊さんは途中にあるアクセサリーショップに行って……、


「そこのお店に置いてあったペアネックレス……


 潤夜がつけてるのと、全く同じだったんです」

「そのネックレスは…写真が入るようになっていて……
もしかしたら、その写真に浮気相手の顔が写ってるかもしれないんです……

もちろん、私は潤夜にネックレスなんてあげてません……。
それに潤夜、最近は私が何を訊いても『知らない』『何でもない』って言うんです。

だから———っ!! 彼の浮気相手、突きとめてくれませんか、会長っ!?」

小鳥遊さんは深く頭を下げた。

そんな風に言われたら、断れないじゃない……

———……まぁ、私も断る気なんてないけどね?

「もちろんです……私・七瀬沙奈がその浮気相手を突きとめてみせますっ」

————————…… mission start……。