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Re: 真白‐masiro‐ 参照が…参照がああ!!((黙 ( No.204 )
日時: 2010/09/30 20:35
名前: 杏樹. (ID: W3aU.Uy/)

「有澄は……プレゼントしてくれるとしてもいつもお菓子ばっかりで……っ!!

お菓子なんか食べたら無くなるじゃないか!! それじゃあ僕らの愛が形に残らないじゃないか!!

そんなの貰ったって……僕は全く嬉しくないんだよ!! 有澄が作ったお菓子なんか別にいらないしーっ!!」

全く……嬉しくない、……ですって?

いらない……?

小鳥遊さんは……アンタのために……

一生懸命、作ったと思うし……何より……

『全く嬉しくない』なんて—————っ!!

コイツ、最ッ低ッ—————!!

きゅっ、と握り締めた拳に力がこもる。


バキッ!!!—————……

感情のまま……気付がついたら私はその拳を振り上げ、伊吹の顔面を再び殴っていた。

そして伊吹の方も、さっき立ち上がったばかりだが…再び地面に倒れた。

「だから、七瀬さん……っ!! 

いきなり殴らないでくださいよっ!? 何か僕、悪い事でも言いましたかっ!?」

殴るに決まってる————……

アンタは、最低の中の最低だ—————……っ!!

もう……感情を抑えられなくて……

いつの間にか、私の目からは涙がこぼれていた……。

「アンタは——っ!! 本当に小鳥遊さんが好きだと思ってるのっ!?」

「痛たた……もちろん、思ってますけど……?」



「小鳥遊さんの気持ちも貰ってあげないアンタにッ——————!!!







小鳥遊さんと付き合う資格なんかないのよ——————ッッ!!!!」





——————————……

その後、私は何をしたか……よく覚えていない。

何発も伊吹を殴っていたかもしれない。

ただ1人で泣き叫んでいたかもしれない。

気付いたら、伊吹はもういなくて————……


屋上で私は1人、泣き崩れていた。

自分の涙を必死に拭い、……ようやく落ち着いてきた私。


まさか……自分が泣き叫ぶ事になるなんて……

思い出すと少し恥ずかしい気がする。

生きてきた中で一番取り乱したかも……。


でも—————……

依頼者にこんなに感情移入したのはきっと……

私も女の子だから……私にも、『大好きな人』がいるから……

まぁ、私の場合はちょっと複雑……自分の兄を好きになるなんてね……

けど……『好きだ』って気持ち———……

これだけはどうしても譲れない。

私は制服のリボンをきゅっ、と握り締め、広く……青い空を見上げた。


お兄様—————……


私の、大好きな人。


       【沙奈編*END】