コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 1話 扉と鍵*4* ( No.21 )
- 日時: 2010/09/25 11:31
- 名前: 杏樹. (ID: W3aU.Uy/)
私は渋々席に着き…・・・先生が来るのを待っていた。
先生、絶対ビックリするよね……
ガラガラ……
おっ……、先生来た……
多分、『おお、東雲!? やっと教室に来たか……先生嬉しいぞー!!』
とか言われるんだろうなぁ……
「おお、東雲!? やっと教室に来たか……先生嬉しいぞー!!」
……ほら、やっぱり……
この先生、私の予想と全く同じこと喋ったよ……。
「はい……もう大分体調良くなったんで」
「そうか……それは良かった……んじゃあ皆、教科書の…」
* * * * * * * * *
授業が始まってから……
「お前、そんなのも分かんないの? ……お前の頭は真っ白か…・・・名前通り」
「うっさい……黙れ、話しかけんな」
「最初に問題教えてほしいって言ったのお前だろ?」
「……もう喋る気失せた」
まわりは集中して授業に取り組んでいるけど、私と七瀬はずっと喧嘩(というか言い合い)をしていた。
お昼は私の前の席の夏海凛架って子と、凛架の親友の美山あかねって子達と食べて…・・・
休み時間は色んな人と話した。
本当、その時間が楽しくて……心から……
教室に来て良かったと思った……。
そしてあっという間に放課後。
私と七瀬は職員室に呼び出しされ…まぁ、こうなると思ってたけど授業態度についてとか先生に色々言われて……
そして教室に戻ったら七瀬と私以外誰もいなくて……
2人きりで……
……それが今の状況。
職員室を出て教室に着くまで、七瀬も私も無言。
そして今も教室はシーン……と静まりかえっている。
「……」
「……」
……2人きりって気まずい…早く帰ろう……
そう思い、私は鞄を持って教室を出ようとした。
「あ……私、帰るから!!」
「待て」
……? 何?
私はその七瀬の声で足を止めた。
「……何よ」
「お前さ……」
……?
「俺に感謝しろよ?」
……は? 何言ってんだ、この人……
「意味分かんないんだけど……アンタなんかに一つも感謝することないじゃない」
「……お前に友達ができたの…誰のおかげかなぁ?」
そう言われて私は少しドキッとした……。
確かに…教室に連れてきてくれたのも七瀬だし……
こんなに学校って楽しいんだって思えたのも七瀬のおかげだ……
これ……多分、全部私のためだよね??
そう考えたら……七瀬って結構優しいのかも……??
「……ありがと……感謝、してるよ……」
気づいたら……ふと、そんな事を口にしていた……。
……ん?
私……今、七瀬に「感謝してるよ」とか言ったよね……?
し、しかも…私、コイツに「ありがとう」って……!!
私の顔がみるみる赤くなっていく……。
七瀬も『…え?』的な感じで私を見てるし!!
「あ……ぁ……いや、コレは…違うんだからね? その…」
必死に言い訳しようとするけど、声が裏返る……。
「…何が違うって?」
……もう……この場から消えたい……っ!!
「もう私、帰る!!急いでるから止めないで何も言わないで何も訊かないでっ!!」
そう叫び、私は走って教室を出た。
その後* -七瀬side‐
『急いでるから止めないで何も言わないで何も訊かないでっ!!』
早口でそう叫び、東雲は走って教室を出ていった。
『ありがとう』そう言うのって……そんなに恥ずかしい事か?
理解できねぇ…… というか、それより……
早く行かないと……。
俺は自分の机の中から、1冊のファイルを取り出した。
「出席番号13番……よし、あった……ここだな」
学園の最寄り駅から徒歩5分。……たいして遠くはない。
「よし……行くか」
最後に住所を確認して……俺はそいつの家に向かった。