胸元を越えるほどの長さのまっすぐな黒髪をした制服姿の少女が、朝の通学路を一人で歩いていく。彼女の名は、秋本奏音。今日から中学2年生。新学期といえば、誰もが心躍らせる季節。だが奏音の気分は、沈んでいた。「今年も友達…出来ないのかなぁ…。」奏音はおとなしい性格のため、毎年友達が出来なかった。