コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ————ねぇ、笑って。 ( No.13 )
日時: 2010/09/12 20:16
名前: 壱夏@ (ID: Dfaev/X/)
参照: http://__________________

@.005話


   「私...蓮池君の事が好きです」

   連夜に告白している女の子。
   あのときは焦ってよく見なかったけど相手はこの学校№1の美人で可愛い女の子。
   告白もしなやかで美しい。…だけど今はそんな事悠著に考えている暇はない。
   連夜...なんて応えるの?その子と付き合ったりしないよね?
   私から離れていかないよね?
   不安でいっぱいになった。私は手を組んで祈った。

   「ごめん。気持ちは嬉しいけど...好きな子が居るんだ」
 
   好きな子...。告白を断ったのは良いもののその言葉が重い。
   しばらくの沈黙。初めに口を開いたのは少女の方だった。

   「それって...臼杵さん?」

   急に私の名前が上げられ驚いた。
   どうなんだろう、何て応えるの?連夜——。

   「笑美は妹みたいな人だよ。恋愛対象としては見れない。——それに...」

   連夜は言葉を続けてたけど私には聞こえなかった。
   妹。連夜にとって私はただの妹的存在にしか過ぎなかったんだ。
   妹だから慰めてくれたんだよね。妹だから手を繋いでくれたんだよね——。

   全部、全部妹だから——。

   その言葉が悔しくて悔しくて、
   私は泣く事しかできなかったんだ。
   まるで私が告白して振られたかのようだった。
   空を見ると先刻まで晴れていた空に灰色の雲がかかっている。
   私の心のように。
  


   泣いて泣いて泣くしかできなくて。笑わなくちゃいけないのに——。
   溢れるのは彼方を思って出る涙ばかり。
  〝笑美、笑って〟そう言ったのは彼方なのに、ね———。