コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ————ねぇ、笑って。 ( No.20 )
- 日時: 2010/09/14 17:42
- 名前: 壱夏@ (ID: Dfaev/X/)
- 参照: http://__________________
@.007話
今日は独りでの登校。
いつもの風景も今日はどこか違って見える気がする。
学校に着くなり心友の芽衣が私に駆け寄って来た。
「蓮池君、今日風邪でお休みなんだって」
知らされたのは風邪が原因の連夜の欠席。
風邪引いたんだ...大丈夫かな。ちゃんと食べてるかな——。
私は心配になった。
「、で?」
「え?な、何が...?」
芽衣の顔がドアップになる。
「昨日の例のあの子だよ!確か…小声雛だっけ?結局2人のあと、つけたんでしょ?」
少々呆れながらも芽衣は興味津々と言った顔で迫る。
昨日の事が身にしみて、やだな。
「告白は...断った。」
「あーやっぱり!?私思うんだけど蓮池君って絶対笑美の事好きだよねー...」
連夜が私を好き——?それは大きな間違いだよ。
私は連夜の特別でも一人の女の子でも何でもなかったんだ。
私はその事を芽衣に伝えようとした。
「だけど、ね...でも、——」
でも、想うだけで涙が出てくるんだ。
君を好きになって嬉しい気持ちばかりだったのに、今は苦しいんだ。
私の泣目状態を見て芽衣は戸惑った。
「え、え、——!?私何かしたッ!?」
「私はっ———」
私は、
「私は妹だって、っひく____恋愛対象として見れないって...」
慌てていたのが、芽衣は私の顔を静かに見ている。
「それで、私...妹として一緒に居るなんて辛いから、しばらくそっとしておいてって___ゆったの…っ」
涙を堪えながら言う。顔を上げると芽衣は私の瞳を真っ直ぐに見ていた。そして
それで? って芽衣は言った。笑美はどうしたいの?って——。
私は、私はね、_____。思っても直ぐに言葉は出てこなかった。
「 じゃ あ 笑 美 は 逃 げ た ん だ ね 」
何も言わない私に芽衣が冷ややか言った。
逃げた?何から、私は何から逃げたの?
ううん。違う。逃げたんじゃない。逃げてなんかない。
「わ、私は...違う、逃げてなんか…ない」
「逃げたんだよ。自分が—」
「逃げてない!逃げてなんかないっ私は_____」
その場に座り込み大声を張り上げた。
何も聞こえないように耳を塞いで。
そしたら芽衣もしゃがみ込んで塞いでいた私の腕を掴む。
「あんたは自分が傷つくのか怖くて逃げたの。蓮池君の事、ちゃんと確かめなくて、
甘えて、彼の気持ちも考えもしなかった臆病者——ッ。自分の為だけに、——傷つくのが怖いからっ」
臆病者。傷つくのが怖い。甘えて。逃げて。
「もう一回聞くよ、あんたはどうしたいの?——」
「私は—…私は連夜の気持ちを、確かめたい...」
「ん、よしっ。行って来な」
私は自分の気持ちを正直に言った。
そしたら芽衣は笑ってくれたんだ。微笑んでくれたんだ。いつもの笑顔で。
私は芽衣が私にしてくれた事が、私に気持ちを教えてくれたのが嬉しくて、涙が出た。
「あー、もう!そんな顔で行ってどうすんのよ」
そう言って芽衣は私の涙を手で拭ってくれた。
そして私に 笑って って言ったんだ。
うん、私笑うよ。こんなに良い心友を持てた事に——。
私は教室を走り出た。
私の後ろ姿を見送りながら芽衣は 先生には上手く言っておくからー! って叫んだ。