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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: planet.blue* ( No.1 )
- 日時: 2010/09/13 14:52
- 名前: 沙紀 ◆2G93EKwWG2 (ID: lD2cco6.)
1.きらきら
「ねぇねぇ、瑠夏って、夕燈先輩の事好きでしょ?」
前々から勘付いていたのだ。
中学で、同じ吹奏楽部に入部してから仲良くなったあたし達。
瑠夏は、同じパートの夕燈先輩に恋をしていると。
「な…何を根拠に」
照れている瑠夏は可愛い。
こう云うところをもっと見せたら、先輩だって…ね?
「そうでしょ?」
小さくうなづいた。
心の奥で、何かが割れる音。——聴こえたけれど、聴こえないふり。
ちょっとほっとして、切なくなった。
——瑠夏は—…
小学校の時、大好きだった人に振られた。
その頃あたしは瑠夏の事など知らず、後から聞いた話だ。
「入部したころから…好きだったの」
ふぅん、そうなんだぁ。なんて返していたけれど、泣きそうだった。
瑠夏。
あたしがもし、夕燈先輩が好きかもって言ったら、あんたは遠慮しちゃうよね。
そう云う子でしょ?
——瑠夏が、先輩を好きって言ってくれなかったら、あたし、先輩の事好きになっていたかも。
いつの間にかあふれだした涙と、
沈んでいく夕日がきらきらと光っていた。
「み…美沙?どうしたの?」
涙をぬぐって、笑顔をつくる。
「へへー。
瑠夏の恋がかなうといいね」
「…うん」
真っ赤な太陽は、あたしを慰めてくれているような気がした。
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