コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:         星恋   ★ ( No.9 )
日時: 2010/09/12 22:32
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 4n3MlAWB)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/





 第1話




 その日は、厚着して外に出ても、寒さを覚えるくらいの温度だった。
 マイナス2度。
 1月も中ごろになって、今年初めての雪がふってきた。
 授業中に、クラスメイトが興奮して奇声をあげては、窓に釘付けになっていた。
 そりゃそうだろうなあ。
 私の住んでいるところは、比較的暖かいところだから、雪なんて滅多に降らない。


 私は、授業中に奇声をあげたり、大声で皆を呼びつけたりするキャラじゃないので、チラチラ無言でみるだけにした。
 隣には、小1から仲のいい絵磨がいる。絵磨は「すごいねぇ」と呟いた。


 「つもったりしないのかな?」


 そういったのは、私、七瀬香織。
 こんなに少ない量だから、つもるのには難しいけど、つもったらやっぱ嬉しい。
 雪合戦をして、雪だるまを作って、それからそれから……。

 しかし、その願いも虚しく、雪がふりはじめてから、30分足らずで、白い粉は舞い降りてこなくなった。
 クラスメイトは「もう降ってねー」なんて、残念がっている。
 
 私は、大声でそんなことはいわないが、心の中で「やんじゃったか」と呟いた。
 次に雪がふるとしたら、いつだろうか。もうないんじゃないだろうか。
 そうおもいながら、帰る仕度をして、ランドセルを背負った。


 4-3とかかれたプレートが飾ってある、教室からでてきたのは、私と絵磨。
 この教室で過ごすのも、あと2ヶ月ほど。
 私達はもうすぐ、5年生になる。


 「寒いねー……はやく家につかないかなー」
 「そうだねっ! 家帰ったらココアのもー」


 絵磨の呟きに、私はそんな答えをかえした。
 私は大の甘党で、チョコやココアなど、甘いものがとっても大好きだ。
 そういえば、チョコといえば、もうすぐバレンタインである。

 ……でも今年は、渡す人なんていないかな。
 そうおもいながら、絵磨と帰り道を歩いた。



 「ただいまー」


 私は家に帰ると、すぐに自分の部屋に直行した。
 そしてカレンダーに触れる。2月のカレンダーをチェックするためだ。
 2月14日、今年は水曜日だった。


 「水曜日……かぁ」



 とくに渡す人なんていないのに、私はそれだけがすごくきになった。