コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 星恋 ★ ( No.11 )
- 日時: 2010/09/13 18:06
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 4n3MlAWB)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
第2話
毎年この時期になると、登山と言う幼稚園のイベントが開催される。
私も、確か幼稚園の頃に、いった気がする。今年は、弟の康義がいくことになっていた。
それには、家族も参加OKなので、私は暇なため、参加することにした。
何度も何度も、姿見の前に映り、髪型と服装をチェックする。
黒のジャケットに、スカート、タイツ、ブーツ。そして、ニットの帽子。
我ながら、結構いいコーデネートだとおもった。
たかが、幼稚園の登山なんかで、そこまで格好付けなくていいのだが、そうしたには理由があった。
数日前の学校からの帰宅途中、私は寒さで頬をピンク色に染めて、1人で歩いていた。
すると、突然前方から、聞き覚えのある声がして、私は俯いていた顔をあげた。
そこには、私の嫌いな、大嫌いな存在が、私をあざ笑うようにして立っていた。
「うわ……最悪」
私は、わざと聞こえるようにしてそういう。
そして、その存在からできるだけ離れて、通り過ぎようとしたそのとき……。
突然、大声で私の足はピタッととまった。あまりの声の大きさに、動揺したのだ。
「お前、マジで服のセンスねーな」
そういったのは、幼馴染の三井優志。私の大嫌いな存在であった。
自分だって、眼鏡にボサボサの目までかかっている髪の毛という、不潔な格好をしているくせに。
ということは、言い返さない。私は、優志をチラ見すると、さっさと走って逃げた。
私は、自分の姿を、もういちどたしかめる。
……ほこりのついた、黄色い無地のパーカーに、黒のサイズの合わない長ズボン。
髪の毛は、ボサボサで、はねている。オシャレする気ゼロだった。
悔しかった、嫌いな存在にそんなこといわれて。
そして今日の登山には、優志もくる。
登山なんだから、ズボンスタイルのほうが適切であろう。
しかし登山といっても、幼稚園のイベントなんだから、そこまで本格的じゃない。
ちょっと急な坂のある、散歩道……といったところだろうか?
ちゃんとタイツもはいてるし、ブーツったって、ヒールはないし。
……普段は、優志とは別のクラスだけど、今日は嫌でも顔あわせないといけないからね。
**
集合時間は、午前11時ごろだった。
集合場所には、たくさんの園児が集まっている。その後ろの方に、保護者がいた。
私は、龍夜や優志の弟、孝文といっしょに、そのなかに混じった。
ちなみに優志は、私達から数メートルはなれたところにいる。
まだ私の姿には気付いてないようだ。よーし、気づけ、気づけ!!
私はわざと優志の前にたちはだかった。私は優志の顔を、真正面からみたのは、実はこれが初めて。
ずっと嫌で、そっぽむいてた。優志は、驚いた顔で「なんだよ」と呟く。
「あんたって本当、センスないねー。オタクみたいだね、外見」
はじめて、私は優志に向かって、侮辱した。いつも侮辱されてばかりだったから。
私は「いってやった!」という、優越感に浸りつつ、優志の顔を何度もみた。
優志は途端に不満そうな顔になり、私のほうにちかづいてきた。
「なんだよ、このセンスゼロ女!! ひっこんどけ!!」
「はぁ……?」
せっかくこんなにオシャレしたのに、センスゼロかよ……。
私はちょっと、肩を落とした。というか、今になってきづいたけど、なんで私こんな一生懸命なんだろう。
優志に褒められたかったの? 「かわいいな」って……。
「姉貴」
「んあ?」
山を登ってる最中、龍夜が背後から話しかけてきた。私はまぬけな声をだす。
「もっとひっつけよ」
「えっ」
龍夜は、ニヤニヤしながら私の顔を見た。
私の隣には、何故か優志がいる。ああ、なるほど、そういうことか。
「意味不明ーうざっ」
「うざっはないだろ、香織」
そういったのは、孝文。孝文は、優志の弟だけど、根はすっごい優しい。
けど、年上である私のことを呼び捨てにしてくる。
まあ別にいいんだけどさあ……。
「誰がこんなオタク男とひっつかないといけないのよ!!」
「お前」
「オレだってこんな、センスゼロ女とひっつきたくねぇし」
そういったのは、優志。優志はなおも前をむきながら、真顔でそういった。
その余裕ッぷりをみせつけられてるところが、かなりムカついた。
「もう! 私、龍夜と孝文の後ろ歩く!!」
そういって私は、2人の後ろに回った。