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Re:         星恋   ★ ( No.18 )
日時: 2010/09/15 18:47
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: 4n3MlAWB)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/





 第4話



 それから、優志は私になにもいってこなかった。目すら合わせてくれなかった。
 私は家に帰ってから、すぐにベットにダイブして、そのまま寝てしまった。


 

 翌朝。
 私は、学校に行く為に、玄関のドアを開ける。……やっぱり、今日も寒い。
 いつもの待ち合わせ場所で、絵磨と合流し、私達は通学路を歩き始めた。


 「ねえ、絵磨……」
 「ん?」


 「ちょっと話きいてくんない」私はそういうと、絵磨に昨日のことを話した。
 優志に嫌味をいわれなくなって、すっきりしたはずなのに、何故かモヤモヤした気分が残る。
 絵磨は相づちをうって、静かにきいれくれた。


 「……それってさあ、やっぱ、好き……なんじゃない?」
 「えっ」


 絵磨は唐突にそういった。思わず大声がでる。……私が? 優志を好き?
 

 「だってさ、急に避けられて、悲しかったんでしょ? 三井君にかわいいっていわれたくて、オシャレしたんでしょ?」
 「うう……そう、かなぁ?」


 確かに、そうだ。優志に「センスねぇな」っていわれたのが腹たった。
 だからオシャレしていった、けどそれは「かわいいっていわれたいから」ともとれる。
 
 寂しいよ、ねえ、寂しい。私やっぱ寂しい、優志がいなきゃ、なんか物足りない。
 嫌いなはずなのに、どうして……?


 「でも三井君、なんで急にそんなこときいたんだろうね」
 「さあ……」


 学校にいるあいだも、ずっと優志のことを考えていた。
 授業もてにつかなかった。ずっと、優志しか頭になかった。
 優志とこのままずっと、喋れなかったらどうしよう。


 
**



 帰り道、私は絵磨と別れて1人で道を歩いていた。……そのとき。
 

 「ゆう、し……、優志!!」



 私は無意識に、優志のところまで走っていた。
 もうとまらなくて、気がついたら……優志の隣を歩いていた。

 「香織」
 「あのっ、さっ……あの、優志、私、昨日あんなこといってごめんね」
 「……は?」


 優志は目を点にした。私も思わず「え?」と声をだす。……あの、謝ってるんですが。
 優志は、また笑い始めた。


 「だから、男友達いないって……!!」
 「ん……ああ、あれか!!」

 優志はいかにも今思い出したような、そんな顔を見せた。
 私は急に、全身の力が抜けた。ひょろひょろひょろと、魂も抜けた気がした。
 さっきまでの緊張感と、不安はなんだったのだろうか。


 「でもさー俺考えたんだよな、俺ら、友達のときあったっけ?」
 「友達……」


 私と優志は、であって4年目。幼稚園の年長の頃に、お互い新しい街に引っ越してきた。
 そして同じクラスになって、1番最初に喋った男の子が、優志だった。
 
 けど、友達といえたのだろうか? 昔から嫌味ばかりいわれて……。
 正直、弟同士が仲良くなかったら、ここまで関わりはなかっただろう。


 「じゃあきくけど、あんたは私のこと友達だとおもってた?」
 「ん〜……そりゃまあ、低学年の頃は想ったけど。よくよく考えたら、どうだろうな?」


 優志は、困ったような表情を私に向けてきた。


 「ん〜……まぁいっか、じゃあね!!」
 「あ、ちょっとまて!」

 私は帰ろうとすると、優志に呼び止められた。


 「今日お前ん家いくから。龍夜と約束した」
 「あそー、じゃあ私は部屋に避難しとくわ」
 
 私はそれだけいうと、今度こそ帰ることにした。


 悲しいような、ホッとしたような、そんな気持ちが交差した。
 やっぱり私は、優志にとって友達でもなんでもなかったんだ。