コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 星恋 ★ ( No.43 )
- 日時: 2010/10/11 13:04
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: zc76bp3U)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
第9話
「そんなことできるわけないじゃん!」
そういおうとした途端、優志と怜緒が戻ってきた。
皆で座って輪になって話してるのが、異様にみえたのか2人は「どうした?」と聞く。
森野が軽く受け流すと、次は違う方向に視線を移した。
「あっ、望! 城沢んとこいこーぜ!!」
森野は、望の答えをきくまえに、望の腕をひっぱって走っていった。
優志と怜緒は、目をぱちぱちさせながら、きょとんとしているけど、私と絵磨はすぐに意味がわかった。
城沢のグループには、沙羅がいるからだ。
「なあ城沢! お前らなにしてんだよ!」
「べっつにーただ話してるだけ」
城沢は、地べたにすわってあぐらをかきながら、同じグループの人と話していた。
その隣には、女子で固まっている沙羅がいる。
「森野のところは、レクなにすんの?」
そう問いかけたのは、沙羅だった。森野は、素早く望のほうをみる。
望は、顔が真っ赤になり、ぶるぶると震えているのが、私からみてもわかった。
森野は「仕方ねえな」といわんばかりの表情をみせ、沙羅に答えた。
「赤ずきんだよーん。主人公は俺! ちなみに望は、優志と狼役」
「へぇ〜そうなんだ、楽しみ〜」
すると沙羅は、笑顔をみせた。しかし望は、まだ震えていて、ついに森野の後ろへ隠れた。
しばらくすると、2人は戻ってきた。望はまだ、震えている。
「望のへタレ」
絵磨は、小さな声でそう呟くと、怜緒のほうをみた。
「ねえ怜緒、さっきなんで皆集まってたの?」
「ああ、なんかいい忘れたことがあったんだってさ。部屋の点検とかいろいろ。
まあ俺は、副班だから、あとは班長に任せばいいんだけどなー」
怜緒はチラッと、優志のほうをみた。
絵磨……積極的!! 絵磨は、私のほうに視線をうつす。
これは、私も話せってこと……かな?
「ねえねえ優志、赤ずきんの練習しないの?」
「……あー……するか?」
話せた、久しぶりに話したようなきがする。
途端私の心は、とても嬉しくなった。
ちなみに赤ずきんは、主人公が森野。狼が優志と望。
おばあさんが怜緒で、私と絵磨はナレーター。つまり私はナレーションを覚えればOK。
私は台本をもつと、そっと絵磨のほうに近づいた。
「ねえ……絵磨なら、告れるんじゃない?」
「えー無理無理!! 絶対無理!!」
「なにが無理なんだ?」
ひょこっと顔を出す怜緒。絵磨は慌てて「だっ、台本のセリフむずいねって!」とごまかした。
そのすがたに、私は微笑んだ。