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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 流星剣士! ( No.2 )
- 日時: 2010/09/16 18:14
- 名前: たぶん武士 ◆QNk6D1x0iU (ID: EHJQXsee)
○ep1 あたしの世界
———江戸の剣士に会いたい。
それがあたしの、昔からの叶わぬ夢でした。
あたしの名前は流崎 星奈。只今高校一年で、剣道部です。
剣道は三歳からやり始めて、もう14年近くなります……
もちろん毎日の稽古は楽しいし、先輩は面白いけど……
でも、やっぱりあの夢は諦められていないのでした。
そんな事を考えていたら、後ろから誰かに頭を小突かれた。
「おい流崎、なにぼーってしてるんだよ!!お前係だろ!?」
小突いてきたのは、同じ剣道部の秋山 蓮。
背は高いし、イケメンだからモテるけど、性格悪いからあたしは好きじゃない。
しかも剣道歴は同じで、出身チームも同じ、小・中・高とクラスがずっと一緒……
これが腐れ縁ってもんですか。
「は?今日の係はあんたでしょ!?あたし明日なんだけど」
「……ちっ。いいじゃんやってくれたって。まったくケチだなぁ……」
いつもの、他愛もない会話。
今の舌打ちをこいつのストーカー連中に聞かせてやりたいわっ!!
「誰がケチだとぉ!?……まぁいい、今日の相手お前がやれよ!!」
「わかりましたよーん♪」
蓮はあっかんベーをして、教室を出て行った。
あたしはムカついて、蓮を追いかけようとしたけど、誰かに捕まった。
「ちょっと星奈、後ろ後ろ!!」
声を掛けてきたのは、同じ剣道部の月原 葵。
昔から仲がよくて、気が合ういい友達。
そう、誰かさんとは違って……
言われたとおりに後ろを見ると、蓮の追っかけ連中が恨めしそうにあたしを見ていた。
「……ゴメン葵。ありがと」
葵は軽くため息をついて、可愛く笑った。
あたしもつられて笑う。
次第に、他の友達も集まってきて、笑い始めた。
授業開始のチャイムは、あたし達の笑い声にかき消された。
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