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Re: やさしくしないで。 ( No.16 )
日時: 2011/01/15 14:16
名前: 三春 ◆OTogeME6uU (ID: mznU1Olg)

「……つむぎ」
 わたしの目をその輝いた瞳で見つめて、織田は言った。
 
 胸がもうどうしようもないくらい締め付けられて、痛い。……辛い。……苦しい。


「……ごめん。わたし、先生に用あるから」
 わたしはその瞳を見つめ返すことなく、そう呟いて
織田の手を払った。

 その手は、予想していたよりもあっけなく……わたしの腕から離れていった。
 さっきまで、あんなに強かったのに……


 わたしはそれ以上なにも言うこともなく、その場から去った。
 先生に用事がある、なんて嘘。

 もう、たえられないから。 
 あふれちゃうから。
 好きだって思わず言っちゃうから。

 自分が何を望んで、何を求めているのか分からない。

 だけど、切ない思いは確か。
 伝えたくない。
 ふられるくらいなら——————


 ずっと、このままの関係がいい。

 はぁっと、昇降口にたどり着いたときため息を漏らす。

 ……好き。なんかじゃないの。
 ……違うの。
 


 ……違うの——————


 時は、6時37分。
 まだ、誰もいない。

 わたしは、ひとり
 声も漏らすことなく、ただ、ただ……



 泣き叫んだ——————