コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ◎ Memory . ( No.5 )
- 日時: 2010/09/18 21:11
- 名前: ここあ ◆2P6zxky1H. (ID: B.jT5AAk)
- 参照: / ちゅう3の思い出づくり!
小崎くんはすたすたと歩いてドカッとえみの隣に座る。
「ねえ、あたし、上原えみっていいます。仲良くしようね」
「小崎光。…気安く話しかけてくんな上原」
「——はあっ?!」
小崎くん——いや、小崎の言葉を聞いてイラッときた。折角話しかけてあげてるのにあの言い方!
うちは思わず反射的に大きな声出しちゃったからまわりはこっちを見てる。
うわー、恥ずかし。
「…なに、自分。ほっといてくれる?」
「そういう態度、むかつく」
「むかついとけば」
な、ななな何こいつ!今まで以上にすっごいむかつく!
よほど怒り狂った顔をしていたのか、桐谷はすごい顔でうちを止めてるし、えみは困った様な顔でうちに制止をかけている。
むかつくー!信じられない、えみに失礼と思わないのか!
「小崎でいーんだよね?ま、隣の席だしあたし的には仲良くしたいから。よろしく」
「、勝手にすれば」
小崎は鞄とジュースを持って教室から出て行った。…おい。堂々たるサボりだな!
そんな小崎と入れ替わりに担任の教師がきた。———藤堂康宏、29歳という三十路まぎわの一応若々しい数学教師だ。部活顧問は男子バスケ部。
藤堂先生は、教卓に立って話をし始めた。……長い。
「—————てことで、終わり!もう帰っていいぞー」
その言葉にみんなササッと立って帰る用意をし始めた。やっぱりみんな帰りたいんだよね。うちもです。
ふいに、はあ、とえみが溜息をついた。原因は多分———
「小崎のことですか?上原さーん」
「そうですよ神崎さーん」
一応ノってくれたけど顔は本当に困ってる顔。そりゃそうだよね、あんだけフレンドリーに接したのにあんなクールに返ってくるなんて思わんよ。
「そんな、えみは悩まなくていいよー。1年あるんだからさ。ゆっくり仲良くなろうぜ」
「そうだよね。……うん、そうしよ」
「上原ー」
こーんな和んだ会話しているのに話しかけてきた空気よめないやつは誰だ!
振り返ると、いたのは、確か…瀬乃湊くん。たしかサッカー部。だった気がする。
瀬乃くんの隣には、えみよりは高いけど男子にしては少し小さい伊原燈弥くんがいた。伊原くんもサッカー部だった気がする。…あれ、何だっけ?
「上原ってまた文化委員入んの?」
「んー、わかんない。なんで?」
「上原が入るんだったら入ろうと思ってさー」
「あは、何それ。そいえば…架歩はどーすんの、委員会」
「ほんとだ。燈弥はどすんだ?」
親しく話しているのをボーッと聞いていたうちと伊原くん。
突然話しかけてきたから、うちはびくっとした!委員会かぁー、どうしよう。
「俺文化なる予定だったんだけど」
「えー、まじかよ!あ、んー、神崎さん?は?」
「神崎でいいよ!うちはー、放送委員かな〜」
前も放送委員で、楽しかったからうちは放送委員になりたいと思った。
そういうと、瀬乃くんはニカッと笑ってうちに向かって言った。
「じゃ、俺文化は燈弥に譲るから放送委員なるわ!」
「え、譲ってくれんの?意外なんだけど湊」
「それ思った!譲るイメージない瀬乃って!」
そしてギャハギャハ笑う伊原くんとえみ。おいおい可哀想すぎるだろそして下品!
とくにおなかを抱えて大爆笑するえみはどうかと思う。…さすがゲラ。
「放送なるのかー。じゃあよろしくね!」
「おうおうー、宜しく頼むぜ!」
「なんかそこで仲良くなってるしー!いいし!あたし伊原くんと仲良くするし!」
「いやいや何でそこで張り合うんだよ!…あのー、呼び捨てでいいんだけど」
伊原くん……いや、伊原ってツッコミの才能があるんじゃないのでしょうか。
えみもおかしいと思うけど。
まあそんなこんなで仲良くなったから、とりあえず学校から出ましょう。みたいな話になって、
「じゃ、ばいばーい!」
「ばいばい架歩!大好きよー!」
「うちもえみ大好きー!」
そういいあって抱きしめ合うのが多分日課。抱きしめ合うっていってもぎゅーってするんじゃないよ?軽くぽんぽんしあう程度だよ!
帰るの反対方向だから、校門で二手に分かれた。
色んな人と出会った始業式はもう終わる。
帰り道、鮮やかな色の桜が吹雪いた気がした。