コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ◎ Memory . ( No.6 )
- 日時: 2010/09/19 16:29
- 名前: ここあ ◆2P6zxky1H. (ID: Q1X0ZXes)
- 参照: / ちゅう3の思い出づくり!
「……あれ?あれって上原と神崎じゃねぇ?」
「…あ、ほんとだ」
湊につられて振り返ると俺等的には遠いテニスコート側に上原と神崎がいた。
神崎はソフトボールのユニフォームを着て多分休憩中。上原は元女テニの現美術。…なのになんで神崎と喋っているのかふしぎ。
ちょっと近付いてみよー、休憩だし。湊も引き連れて。
「おーっす」
「よっ」
「あ、瀬乃と伊原!どしたー?」
いち早く気付いたのは上原。俺等は歩いてきてたけど、あいつは走って俺等のとこまできた。
気付いた神崎もこちらにくる。
「上原こそなんでテニスコートに?美術部だろ?」
「美術部の幽霊部員!美術部は行っても行かなくても良いしさぁ〜。そして委員会の帰りなのよ」
「ふうん」
上原がちょっと出るの遅かったのは、委員会の居残り?だったのか。
知らなかった……。まあ良いんだけどー。
ヘディングをしようと身構えていると上原がきらきらした目で話しかけてきた。
「伊原のヘディングみたい!」
いやいや、言わなくても今からするんだけど!
ニッと上原に向けて軽く笑ってから、ヘディングを始めた。こうみえても俺、ヘディング超得意。
ご、ろく、なな……まだまだ続けれる気がする!
「い、伊原って凄いんだな……」
神崎が呟く。
そんな意外、という様な声で言うなよ……なんか俺淋しいんですけど!
とりあえず20回程度で終わらせておく。あんま注目されるの好きじゃないし。
終わってサッカーボールを腕の中に収めると、ぱちぱち、と拍手。
「すっごい!伊原やばーっ!尊敬しちゃうよねっ」
「うちも思った!」
「燈弥はヘディング得意だもんなー」
上原はきらっきらした目で俺の顔を見てるし、
神崎は上原に同意してにこにこにこにこ笑ってるし、
湊はうんうん、と頷いている。……いや、何ででしょうか。
それぞれの反応に、恥ずかしくなる。
「そ、そんな大したことないんだけど」
「いやいや、大してるんだけど!すごいねぇ」
上原がにっこにこ笑っている。
よくそんなにっこにこ笑えるなぁ〜って思った。屈託のない笑顔だ。
———すこし、見とれた。
「あ、あたしそろそろ帰るわ!じゃ、みんなばいばい!頑張れ!」
「うん頑張るーっ!」
「おうよー」
「あっ……、また明日なっ!」
一番最後の、あれ俺。
ボーッとしてて聞いてなくて、背中を向けた時に言った。なんなんだ俺。
そしたら振り返って満面の笑顔で手を振られた。俺も一応振り返す。
それから練習に戻ったけど、あの満面の笑顔が忘れられない。
この気持ちは——なんなんだ?