コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 巫女の少女と命使いと 参照八百突破。うん、奇跡です。 ( No.123 )
日時: 2011/03/18 20:27
名前: 山口流 ◆v9R3ODctWg (ID: NhgkHXib)
参照: http://ameblo.jp/mekurumekunovel-blog/

 さて。その翌日だ。
 学校もないし、課題も昨日写し終わったから本格的にする事がない。そういうわけで、啓樹に連絡を取って命使いや過去の神滅者や憑苦喪神についての資料を持ってきてもらう事にした。
 どうせすることもないし、だったら本でも読んでいたいのである。ライトノベルは取り敢えず読み終わってるし、漫画はすぐ終わってしまう。それにこういう機会を使って読んでいた方が何かと楽だ。学校で読むわけにもいかないしな。
 というわけで、俺のベッドの横には何だか厳粛な雰囲気を醸し出しているカビ臭——違う、歴史的な趣を感じる資料が積んである。テレビで見る歴史学者か何かの部屋に置いてある本くらい分厚い。一冊が辞書くらいの厚さで、紙は一回り小さいスケッチブックくらいある。
 常日頃から読書をする傾向にあるおかげか、時間をかければ読めない事はないが、流石に疲れる。そもそも、この本は相当に古い書物なのだ。それこそ神之宮が喜びそうなくらいに。
 だから字が読みにくい。
 これは一般的に汚いと呼ばれる類いの文字だと個人的には思うのだが、啓樹曰く「物凄く達筆だから、読めるかな」だそうで。素人目には同じにしか映らないが達筆なんだと。
 まあ読めないこともないので、少しずつ解読しながら読み進めていく。
 しかし、命使いに関する資料は結構な量に上るのだが、その中で価値のある情報がどれほどあるかと聞かれると、殆どないと答えざるを得ない。大半が、強くて誰も倒せなかったうんたらをなんか圧倒的な力でねじ伏せたとか、そういう類いの物ばかりだ。正直もうちょい詳しい能力について書いてくれるとありがたいな。
 しばらくそうしていただろうか、すると面白いものを見つけた。
「聖滅者は可憐な二人の少女を連れていた……ね」
 それは一緒に戦っていたと言う事なのか、それともただ引きつれていたと言う事なのか。そのあたりも詳しく書いてほしかった……なんだ、次のページに書いてあるじゃねえか。
「片方の少女は戦う事はなかった。只管聖滅者について回っていただけであった」
 ストーカーか。いやいやちょっと待て俺、そんなわけない。
 こいつは所謂後始末担当の奴だろう。充さんと同類の人だろうな。なんだ、そういう類いの奴は揃いも揃って美形なのか? 格差社会だな。
 俺はその文章を読んだ後、その本を別の本の上に乗せた。そのページが最後のページだったのだ。いや正確には、そのページ以降がごっそり斬られていたのである。
 破られていたのではない。他のページよりも固い裏表紙も含めてバッサリと「斬られていた」
 重要な資料をこんな風に乱雑に扱っていいのかよ。仮にも「歴代最強とうたわれる聖滅者」の資料だろ? 慎重に扱おうとかいう気になれや。本のページがちょっとでも折れたりするのが嫌なタイプの俺には考えられない。人に触られる事さえ嫌なんだぜ? 俺は。
「…………ま、考え方は人それぞれってことかね……」
 俺は次の本に手を伸ばした。