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Re: 巫女の少女と命使いと まさかの参照百突破! ( No.42 )
日時: 2010/09/28 19:17
名前: 山口流 ◆v9R3ODctWg (ID: 8Sk6sKy2)
参照: http://blog.livedoor.jp/yamagutinagaru_novel/archives/951840.html

「………………」
 無言で立っていると、さっきの声が聞こえてくる。
「大丈夫です。もう現れませんよ」
「……お前、誰だ」
「誰だ……ですか。しかし、あなたは姿を見せない僕が簡単に姿を見せるとお思いで?」
「思ってるわけではないさ。それじゃ、俺は帰らせてもらう」
「……意外ですね。あなたがこうも簡単に真実を知ることなくあきらめて帰るなんて」
「……意外……ね。なんでお前は俺の考えを読めてるみたいに話すんだ? なんで俺のことを知っているんだ?」
 息を呑む気配。ようやく俺の演技に気付いたようだ。
「嵌めたね?」
「お前がこうも簡単に引っかかるとは思わなかったぜ、啓樹」
 すると、声が聞こえていたほうからまるで、水面に水滴を落としたかのように波紋が現れ、その波紋は人型に広がっていった。
 そして、それが徐々に無くなっていくのと同時に、だんだんとその人型に色がついていく。
「いつ気付いたのかな?」
 色が付き終わった後出てきたのは、教会に居そうな神父の恰好をした西屋啓樹その人だった。
「お前誰だって聞く直前だな。それまではお前が誰かを考えられるほど脳みその活動が落ち着いてもなかったし、考えるほどの余裕もなかったからな。
あいつが消えてちょっと考えたら聞いたことある声だなと思ったんだよ」
「いやはや、君に嵌められるとは思わなかったよ」
「舐めんな、もう二年付き合ってんだぞ。それくらいわかるさ。最初から声を変える呪文でも使っておけば良かったんじゃないのか?」
「悪いね、本当はただ見守ってるだけのつもりだったんだよ、手出ししたら怒られてしまうからさ。実際彼女は相当の使い手だし。
そもそもそういう呪文は無いしね」
 啓樹は困った表情で溜息をついてから、
「とりあえず、説明は後回しでいいかな?彼女を連れていかなければいけないからさ」
 そして俺と啓樹、二人同時に神之宮に目を落とした。
 気付くと周りの景色は元の校庭の光景に戻っていた。