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Re: 巫女の少女と命使いと まさかの参照二百突破! ( No.65 )
日時: 2010/11/05 15:52
名前: 山口流 ◆v9R3ODctWg (ID: 3iqcZzcT)


 第三章 神滅者理解す。

 神之宮の家  神聖なる神社に踏み込んだ俺たちは、とりあえず客間に通された。
 神之宮の傷は酷いらしく、外傷は蹴り飛ばされた時の衝撃により傷が開いたため、左腕と右足の状態が酷いらしい。
 さらに肋骨も何本か折れているようだとのこと。
 俺は知りあって間もないとはいえ、一応クラスメイトである神之宮を心配しながらも、同時に、もっと別の懸案事項に数少ない脳髄を使っていたため、神之宮についてそれ以上考えることは無かった。
 いや、できなかったと言う方が正しいな。
「冗談じゃないぞ、何で俺はこんな事に巻き込まれた挙句、本来の目的を見失っているんだ……」
 そもそもの行動理由を忘れ、その目的を達成できなかった挙句、よくよく考えたら靴も上履きのままだったという俺は、尋常ではないほどテンションが駄々下がりしていたからだ。
 この状態で頭を使えと言うのは酷だと思ってくれ。つーか思え。思うんだ。
 さながら、お祭り直後にそれの処理をしなければならないことに気付いた主催者の様なテンションである。
 いや、まあ、そんな滑稽な野郎はいないだろうが。
「宿題のために教科書を取りに来てたのか。君も随分間抜けだね」
「うっさい、人間誰しも間違いやミスはあるもんなんだよ。ミスが全く無い奴は綿密なプログラムで構成された空間の中にいるロボット、もしくは自分の間違いに気づいていない可哀そうな脳内お花畑人間だ。俺は普通の一般人なんだよ。可哀そうなお花畑野郎でも、完全無欠なロボットでもないんだ。お前は嫌っつーほど知ってるだろうが。いまさら説明もいらないほどに」
「そうかもね。でも今の状況において、君の言う普通の一般人という言葉に説得力は皆無、そして絶無だな。君もそのことは重々分かっているんだろう? 君の言葉を使えば、いまさら説明もいらないほどに、かな」
 俺は鼻を鳴らした。
「ま、そんなことはどうでもいいんだ。今はとりあえず、落ち着いて状況把握ができる環境と、不可解な今の状況を明瞭に説明してくれる人間を所望する。宿題は写させろよ、明日、学校で」
 啓樹は謎の笑みを浮かべて、右手の人差し指を立てて、
「それでは……」
 瞬間、茶と茶菓子が運ばれてきた。