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Re: 巫女の少女と命使いと キャラ人気投票結果発表! ( No.80 )
日時: 2010/12/06 17:50
名前: 山口流 ◆v9R3ODctWg (ID: NhgkHXib)
参照: http://ameblo.jp/mekurumekunovel-blog/

 感じるのは痛み。とてつもない激痛。
 痛い。痛い痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い。頭が割れるように痛い。
 いや、つぶれるように? 引き裂かれるように? よく分らないが痛い。
 体もだ。四肢は激痛で全く動かせない。動かしたら痛い。動かさなくても痛い。
 人間は体へ甚大すぎるダメージが与えられた場合、神経が麻痺することにより、痛みの感覚を和らげると聞いたことがあるような気がするが、この場合はむしろ鋭敏になりつつあるような気さえする。
 痛みだけでなく形容できない負の感覚も健在だ。
 死ぬんじゃないのか、俺?
 それでも俺は逃げなかった。耐え続けた。
 俺には利益も、メリットも無く、むしろデメリットしかない事は分かっていたのに。
 理由は知らん。


「ぐっ……」
 俺が次に目を覚ましたのは暗い、暗い、とてつもなく暗い空間。
 俺の心情を赤裸々に露わしたかのような、嫌な感じのドス黒さだ。
 何も見えない。何も聞こえない。静寂で耳が痛くなるかのような、そんな感じの空間だ。
「……何処だ? ここは?」
 確か封筒を鷲掴みにして、激痛に耐えて……。それで? そこから先が曖昧だ。
「……ようこそ。私の中へ」
 落ち着いたトーンの低い声が響く。男性の声だ。
 直後目の前からスーッと音もなく一人の男性が現れた。この暗闇の中、不思議と呑まれずに浮き出て見える。
 身長はそれなりに高く、長い黒髪が目にかかっている。
 黒いコートを上に羽織り、ズボンも真っ黒、下にはこれまた黒いシャツを着ている。
 全身が黒で埋め尽くされた野郎だ。『骨董品』は皆こうなのかね?
「私の名は『命使い(みことつかい)』。今から貴様を取り込む者だ」
「……ハッ、あんたが俺の『骨董品』ってことか」
 俺は不思議と今から俺がやるべきことを完全に理解していた。これが本能ってやつか。
 やることは単純明快だ。こいつと戦い、勝利するだけ。勝利条件は「『骨董品』が決めた条件下で勝利する」さあどんなお題でくるんだ?
「さあ、おい、言ってみろよ。お前は俺にどんな勝負を挑んでくるんだ?」
「……私の勝負内容は『私の質問内容に、私の望む答えを返す』だ」
「……はあ?」
 なんだその勝負? 勝負でもなんでもねえじゃねえか。
「詳しいルールとしては、質問は一つ、チャンスは一回。気に入らない答えだったら、私が瞬く間に飲み込んでやる。ただし、私が望む答えを返した場合、私はおとなしく貴様に取り込まれてやる。解ったか、無能」
 俺は最後の一言に顔を少し引きつらせたが、
「理解したよ、根暗」
 クロスカウンターを放ってやったさ。