コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 巫女の少女と命使いと 参照五百突破です、これ死亡フラグですね ( No.97 )
日時: 2010/12/29 11:36
名前: 山口流 ◆v9R3ODctWg (ID: NhgkHXib)
参照: http://ameblo.jp/mekurumekunovel-blog/

 夢を見た。
 昔々の俺の体験。
 そう、あれは確か中学入学前だ。小学校六年の時、担任が配ったあるプリントに書かれていた。
 内容は——吊り橋理論をどう考えるか——


 枕から来る携帯のバイブレーション機能による振動を感知し、来なくてもいいのにと思いつつ、眠気とかったるさで動かしたくない上半身を擡げ、嫌々ながらに布団を脱出する。
 いつもならばこんな風に起きる事は、まあ滅多にない。基本的にはお袋が叩き起こしに来るためである。
 ほっておくといつまでも寝ているからな、俺は。
 部屋の扉を開けて階段を降りつつ、俺は薄ぼんやりとした意識を完全に覚醒させることなく一歩一歩下の階へ足を運ぶ。
 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠が存在し、レム睡眠時に覚醒すると目覚めがすっきりしていて、更に夢の内容を覚えていると先日テレビでやっていたが、俺は今まで心地良く睡眠から脱出した事などありはせず、それでも夢の内容は覚えているというのだから、レム睡眠だろうとノンレム睡眠だろうと、俺には関係がないようだ。
 そういえば、今見た夢はかなり懐かしいな。あの頃から今の俺は形成されていったのだろう。
 大きなあくびを一発かまし、下の階の机に向かう。机は茶色の普通の机で標準すぎるフォルムから、どう表現していいか分からない。
 まさに俺に似つかわしいものだ。
 母親が俺が起きる三分前に完成させた朝食を、ニュースを見ながら無駄に三分ほど放置プレイを行い十分程で胃へブチ込むと、俺はまたニ階へ上がった。
 扉を開け、勉強机の転倒防止と銘打った縦に長いフェンスのような形状の、今やぶら下がり健康機がハンガーラックと化すように、俺の制服掛け機となっている物体の傍へ寄り、三分で着替えを済ませる。
 そして現実逃避をしたい中、そんな事をしてる暇はないと急かしたてる五月蠅い脳を一喝して黙らせ、結局現実逃避に走りつつ手提げ鞄に本を入れる。
 今日はラノベではなく一般書籍だ。別にラノベしか読まないわけじゃないんだよ。ラノベ好きじゃなくて活字好きだからな。
 と、心の中で何処の誰かも分からない奴に、俺が活字好きという真実を懇切丁寧に話すという、障害者学校の先生も真っ青な、病院でも打つ手がないような、それほどまでに謎の行為をしつつ、大きなボストンバックを肩に掛けて学校へ向かう。
 周りには部活の朝練のためだろう、野球やサッカーに使うと思しき(おぼしき)道具の類が入っていそうな鞄を持って、走っている生徒がわんさかいる。
 そんな中を本を読みながら歩いて行く俺は、無意識の産物により、気が付くと校門についていた。
 人生における経験値の威厳を感じた瞬間である。いやどうでもいいな、こんな事。
 俺はその無意識の産物にあやかる事にし、本を読みつつ教室へと向かった。
 教室にはまだ誰も来ていない。運動部は直接向かうし、わざわざここを経由して行く奴はいない。
 自分の席へ足を運んで、横のフックに手提げ鞄を掛ける。そして一人で粛々とライトノベルのページを消化していった。
 ……ちょっと待て。何かしなければならない事があったような気もするが、気のせいか?
 何か胸に引っかかりつつも、そんな事は俺にとってはよくあることなので無視してライトノベルを読みふけっていた。
 今日、神之宮は休んだ。