コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

#2「ベンゼンに意味はあるの?ベンゼンに意味は無いよ」 ( No.13 )
日時: 2010/10/03 15:18
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: .RPx9Kok)

ふと、気になった。
「おい、ドリル」
「あー?」
だから俺は訊いてみることにした。
「もうすぐ母さんたち帰ってくるんだが、お前はいつまでここにいるつもりなんだ?」
俺の部屋だというのに、畳の上に寝っ転がり呑気にハガレン26巻を読んでいるドリルに訊いてみた。
そして返ってきた答えは・・・。
「え?帰るって言っても何処へ?」
「ゑ?」
「え・・・何?居候させてくれるんじゃないの?」
えー、緊急ニュースをお伝えします。
「ふざっけんなぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺火山が大噴火した模様です。

「痛い・・・何も真空飛び膝蹴りを喰らわせなくても・・・」
「五月蠅い!黙れ!ビークワイエット!ドントスピーク!呼吸すんな!
 お前なんだそれ!?何いきなりホームステイ宣言してんの!?」
「いや、だって流れ的に絶対このままドラえもん方式で厄介になる流れだったじゃん」
「流れだとぅ!?ふざけんな!お前その場の流れの恐ろしさを知らねえな!?
 お前みたいな奴がいるから出産の低年齢化とデキ婚の増加に繋がって・・・」
「Σそういう話止めろ!『小説カキコ』でやるには余りに現実的で重すぎる!」
「『小説カキコ』?何の話してんの?てかお前絶対俺の妹に手を出すつもりだろ!
 もう許さん!よろしい、ならば戦争だ!」
「いやいやいやいやいや落ち着け!安心しろ、妹に手を出すつもりはねえから!」
「貴様、俺の妹に興味が無いと言いやがるか!
 それはお前、俺と妹に対する最大級の侮辱だぞゴラァ!」
「Σどう答えりゃいいんだよ!てかまだ俺お前の妹を見てもいねえよ!」
「む・・・そういやそうだな・・・」
「・・・ま、まあ多少は気にならないでもないけど・・・」
とりあえず近くにあったので、ラジカセを顔面に思い切り叩きつけてやった。

「とにかく、お前はもうどっか行け。
 母さんたち帰ってきたら大事になるぜ?」
「いや、案外『面白いから』て理由で居候おkしてくれるかもしれないぜ?」
「さっきから思考が図々しいなお前」
「いや、ホントマジで頼む。お願いだから頼む」
「何でそんな必死なんだ?無一文ってわけじゃあるまいし」
一瞬、ドリルの全身の筋肉が硬直したのがわかった。
「・・・え?何?」
「・・・・・」
「・・・まさか、ホントに無一文とか・・・?」
「・・・カードと通帳、電車の中で落としたっぽい・・・」
「・・・とりあえず、言わせてもらおう。
 俺はその発言に何処から驚けばいいんだよ!!!」

「とにかく、泊めるつもりは無い。それだけだ。もうさっさと出て行け」
「そんな殺生な!お願いだから泊めてけろ!」
「うっさい!話し方変えたって俺の考えは変わらん!
 何かめんどくさそうなことに巻き込まれてたまるか!」
「そんなこと言わねえで下せえよ旦那様ぁ、遠慮せずにささ・・・
 これはほんの気持ちのもなかでっせ」
「む・・・苦しゅうない。これは美味しそうな黄金色のもなかじゃな。
 越後屋、おぬしも悪よn・・・ハッ!?
 と、とにかくとっとと出てけ!」
「今ノったくせに」
「五月蠅い!もう許さん!そのドリルをぶち壊す!」
「Σやめて上条さん!」
と、俺が右手でイマジンブレイクしようとした瞬間、
やたらと聞きなれた声で「何これ!?」と一階から声が。
「・・・そういや家の前、穴空きっぱなしだったな」

「・・・という訳で」
一階、晩餐場リビング
「今日からこの家で厄介になる地底人のドリルという者です」
「ふざけんな」
余りにさらっと言うので裏拳をかましてやった。
「・・・地底人ってもっとこう・・・毛深いもんだと思ってたけど・・・意外と普通なのね」
母さんが言う。
「だね・・・ドリル以外は」
妹が言う。
「それとアホさ加減と図々しさ以外はな」
俺は言った。
「でも言うほど普通じゃ無くは無いよな」
「父さん、頭から約30cmのドリルは普通に異常だろ」
「とにかくおねげえしやす!あっしを居候させて下せえ!」
「うん、いいよ」
・・・・・え?
「父さん、今何て言った?」
「?普通にいいよって言ったけどどうかしたか?」
ちょwwwおまwww
「いよっしゃああああああああああ」
「ちょ・・・アンタ正気か!?」
「良いじゃん、何か面白そうだし」
「面白そうだしって・・・母さん、何か言ってやってよ!絵里えりも!」
「父さんに同意ー」
「異議無しー」
「・・・・・」
もう・・・絶句するしかねえよ・・・。
「・・・しょうがねえ、良いよもう」
「え?マジで良いの?」
「但し俺の逆鱗に触れたらドリルは無いと思え」
「そんな命は無いと思えみたいな・・・」

その後、部屋に戻る時
「高く売れそうだしね・・・」
と母さんが俺に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言っていたのはドリルには黙っておくとしよう。
俺の保身のために。

「にしても、良い家族だなー」
ドリルは畳に寝っ転がりながら言う。
「当たり前だ。何せ俺を育て上げた家族だからな」
俺はパラジクロロベンゼンを聴きつつ、pcのキーボードを打ちながら言う。
「・・・絵里ちゃんかわいいな・・・あと数時間地面から出てくるの遅ければスカート覗けたのに・・・」
翌日、ドリルの頭に包帯が巻かれていたのは言うまでもない。

こうして我が家に家族が一人増えました。
「但しペットとしてだが」
「え!?」