コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- #3「道路工事系の仕事に就けば英雄だろうに」 ( No.19 )
- 日時: 2010/10/10 18:17
- 名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: .RPx9Kok)
ドリルが家に居候することになった翌日の土曜日の麗らかな昼下がり、俺の部屋。
「そういえばお前さ」
「うぃー?」
俺はめんどくっせえ勉強様と黙って相対するのにも飽きてきたので、
例の如く畳に寝っ転がり今週のジャンプを読んでいる地底人に訊いてみた。
「学校どこ行くの?」
「ガッコ?行かねえよ?」
ドリルはそう言いながら視線をこちらへ移す。
「何だ、働くのか?」
「まあな。大体働くところの目星もついている」
ドリルは胡坐の姿勢になるとふふん、と得意げな笑みを浮かべて言う。
俺は椅子から身を乗り出して訊く。
「お?マジで?何の仕事すんの?」
「自宅警備員」
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【延髄斬り】
プロレス技の一つ。相手の延髄に飛び蹴りを喰らわせるという技。
上手く決まれば相手を一発で沈めることができる。
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「仕方ねえだろ・・・地上も予想外の就職難なんだから・・・」
ドリルは首の延髄の辺りををさすりながら言う。
「言い訳になってねえよ!ちょっと見なおしたとか思ったらこれだ!
大体何だ?何かしっかりした計画があって地上に出てきたんじゃねえのか!?」
「いや、多少の金がありゃあどうにかなんべーみたいな感じで出てきた。
ほら、地底人って地上人並みに臨機応変だから」
「・・・つまり、ノープランで家を飛び出した挙句無一文になり、今ここにいると?」
「そうとも言う」
「どや顔すんな!腹立つ!あーもう!話すのも嫌だ!」
「まあまあ、あんなかわいい妹ちゃんだ。結構自宅警備員に需要はあると思うぜ?」
「それ言ったらお前がいちばん危険なんだが。とにかく仕事探すぞ」
「えー、いやだー、めんどくさーい」
「・・・いや、お前の場合わざわざ働くよりもそのドリル売っちまった方が早いな・・・」
「・・・で、何か良い仕事あったか?」
俺は就職情報誌と睨めっこしているドリルに訊いてみた。
まあ睨めっこしているということは・・・
「無い」
やっぱりな。ドリルは就職情報誌を放った。
「地底界ならまだしもさ、地上だと資格通用しねえんだもん。地底界の」
「なんじゃそりゃ」
「採掘準二級とか・・・」
「成程、通用しねえ筈だわ。てかやりたい仕事とかねえの?
自宅警備員とかもっかい言ったらキャメルクラッチ」
「ベッドのモニターとか」
「帰れ」
「だってめんどくせえんだもんよ、働くとか・・・」
「地底は知らんが、地上ではそんなの通用せんよ」
「・・・とりあえず今度このフランス料理店の面接とか行ってみるか」
「なんでフランス料理店・・・」
・・・ドリルを隠すつもりか、あの帽子で。
何だかんだで続く。