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Re: ディスイズ地底人 ( No.42 )
日時: 2011/06/30 00:03
名前: 紅蓮の流星 ◆vcRbhehpKE (ID: nx/9fFvO)

あれは昨日の夜のことだった。



「お前さー、明日どうすんの?」
無論、ルームオブ俺なう。
PS2でペル●ナ3をやっているドリルに訊いてみた。
アイ●ス至高とは、貴様地底人のくせに中々わかってるじゃまいか。
「どうするって?」
「そのドリル。さすがに皆に見られたらマズいだろ」
「あー、平気平気。一応その辺りも考えてあるから」
ドリルは自分の頭のてっぺんに聳え立つスカイツリーに手を伸ばす。
「そんなドリルで大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
『ドヤァァァ』と聴こえたのはきっと幻聴ではない。



半信半疑だった。
こいつは今までロクなことをやらかしてこなかった。
なので、今回の対策とやらもある程度の覚悟はしていた。
しかし…しかししかし……。

「日出弩離流(ひので どりる)と言います。よろっしゃーす」
あまりにもあまりなぞんざいな挨拶。ドリルのその頭の上にあるのは、パーティーグッズのあの帽子だった。

『ドヤァァァン』と聴こえたのは幻聴だと信じたい。
編入一発目から一生もののインパクトを、ドリルは我がクラスメイト達に植え付けた。



何故こんなことになったのか簡潔に説明しよう!

①はたらきたくない
②はたらかないとドリルぶっこぬく
③よろしい、ならば通学だ

以上! どうだ、わかりやすいだろう?

「なるほど、まったくわからん」
「そして何でお前が俺の後ろの席なんだよ……」
そう、ドリルの席は俺の真後ろということで決定した。遺憾である。まっこと遺憾である。
「それはこっちの科白だよ! 俺の前後左右は美少女限定だというのに……」
「知ってるか? いくら周りにおにゃのこがいるからってフラグが立つとは限らないんだぜ?」
「おいばかやめろ」
「それどころか友達一人もできずに卒業まで机に突っ伏すだけの青春を送る羽目になったりしてな」
「やめて! 俺のライフはもうゼロよ!」



休み時間。

「お前何処から転校してきたの?」
「地底!」
「地底ってww なあ、何でパーティーグッズの帽子被ってんだ?」
「呪われし力を封印するためさ……うぐッ、頭のてっぺんが疼く…ヤツらめ、出やがったか…」
「Σ中二か!?」
「あはは、ドリル君て面白いねー!」
「おほほ、おだてても何も出ませんわよ」

大人気である。
『ドヤァァァァァァン』なんてぜんっぜん聴こえない。聴こえない。
聴こえないつってんだろしつけーんだよ!! そのドヤ顔をやめろ! やめろ!!
「将彰君、人気者はつらいですなーぁ?」

今日転入してきたばかりのクラスメイトにいきなりドロップキックを喰らわせたのは
世界広しといえども俺ぐらいのものだろう。



「将彰さん、首が若干ずれたような気がするのですが」
ずれているのはお前の脳味噌だ、というツッコミはまあ何を今更?という感じなので置いておくとして。
「大丈夫だ、問題ない。それよりもおまいに降りかかる次の難題なんだが」
「うん? 何よ」
「今日の一時限目は、体育」
「保健体育だと!?」
「全くもって残念なことにそっちの方じゃない。正真正銘体育の方の体育だ」
「なん……だと……」
「問題はそれだけじゃない」
その瞬間、重苦しい空気が俺たちの周りを支配した。

「今日はマット運動の実技テストだ。つまり……わかるな?」

つまり、その中には前転や後転なども含まれるわけで。
「………………」
「…そんなドリルで大丈夫か?」
「大丈夫じゃない、大問題だ!」

果たして、ドリルは突如舞い降りた突然の危機と対峙することになった。
地底人の明日はどっちだ!? 後半に続く。