コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 警視庁特殊能力一課“Almighty” ( No.21 )
- 日時: 2010/10/11 20:32
- 名前: 麿ん堂 (ID: nJ9riueE)
第5話「私の家」(前編)
解散した後、ゲーセンに立ち寄って格ゲーをちょーっと(30分)だけやって駅に向かった。
右手にはコンビニで買ったお菓子が山盛りに入っているレジ袋を持って。
ボトボトボトッ。
「おねーちゃーん!お菓子落としたよー!」
後ろから子どもが大声で私を呼ぶ。
「フッ。少し早いクリスマスプレゼントだよ!だから君にあ・げ・るっ☆」
そう言うと子どもは目を輝かせて「おねーちゃん、ありがと!」と言い、友達に自慢していた。
「ふふっ、良いことしたなー」
子どもの無邪気な笑顔はとても目の保養になる。
あっ私、ペドじゃないからねっ?!
暫く歩くと人の目線が気になった。
何だ?と思い振り返ると、子どもの長蛇の列。
な、何故にっ?!
子ども達はにんまりと笑顔になり、私にこう言った。
「「クリスマスプレゼントちょーだい!!」」
何だってーっ!?
******
「うぅ・・・」
笑顔に、負けた・・・っ!!
お陰で私の所にある物と言えば、
・レジ袋
・10円ガム(2個)
・子ども達にあげた(とられた)お菓子の包み紙
・・・・・・・・・。
・・・・ひもじいっス・・・。
仕方ないので、10円ガムの一つを口に含んだ。
噛めば噛むほど口いっぱいにマンゴーの風味が広がる。
んー、マンゴー味うまいわぁー。
******
そんなこんなで駅に到着。
目的の駅に着くまで口が寂しいので、売店でお菓子をたんまりと購入。
今度は子ども達にあげても良いように特大サイズのレジ袋がパンパンになるくらいのを2袋分買った。
う・・・、重い・・・っ!!
ズシリ、と私の手に袋が食い込む。
かなり痛かったので、ひとまず袋を下に置いた。
うーん、どうしたものか・・・。
どうやって持ち帰ろうか考えていると、
「あれ?お嬢様じゃないですか」
と声をかけられた。
声のした方を見ると一人の男が立っていた。
綺麗な艶のある黒髪に金色の双眸。
小脇に抱えられた主婦が持ってるような大根がはみ出したお買い物袋。
そして、燕尾服。
「此方。どうしてここに?」
「お買い物です」
そう答えたのは私の家に仕える私専用の執事の一人、津田此方だ。
「そんなの取り寄せればいいじゃん」
「いいえ。ちゃんと実物を見た方が良いですから」
此方がお買い物袋を掲げて見せる。
「お嬢様はお帰り途中ですか?」
「そーなんだけど、コレがなかなか運べなくてね。どうやって家まで運ぼうか考えてたんだよ」
視線をお菓子でパンパンな袋に移す。
「そういうことならば・・・」
此方が袋に近づき、ヒョイと2袋一気に持ち上げてしまった。
・・・すご。
「えっ、でもなんか悪いよっ!!」
慌てて1袋だけでもせめて自分で持とうと近寄る。
だって、任せっぱなしだと性に合わないもん!
「・・・では、コレを持ってくれますか?」
一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにニコッと笑ってくれた。
差し出されたのは、その中でも一番軽そうな此方が持っていたお買い物。
「あ、ありがとぅぉおおおおっ?!」
受け取ろうとして、此方が手を放した瞬間、ズンっ、とした重さが私の腕にかかった。
な、なんじゃこりゃ!!
私の持ってた袋の3個分・・・いや、4個分くらいの重さだぞ!これは!!
此方を見るとお腹を抱えて大爆笑してた。
「くくっ・・・!あはははっ、おじょ、さまっ!!ふはっ、はははははっ!!」
くそぅ・・・。
アイツめ、図りやがった・・っ!!!
「このっ、笑うなっ!」
周囲の通りすがりの人達もなんか笑ってるし!!
「ふふふっ、あはっ!」
「〜〜〜っこの、S!ドSっ!!」
「じゃあお嬢様はMですね?」
「は?!」
「こうなると分かってて、まんまと引っかかるなんて・・・っ!く、ふふふふっ」
「五月蠅いっ!!」
あーもう、ドSってどう扱えば良いのか分かんない!
その後はなんとか重い袋を持って電車に乗り込んだ(切符は此方が事前に買ってくれていた)。
向かうは私の家のある都心からちょっと離れた所にある駅。
くそ・・・っ、重いよぉおおおおっ!!