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警視庁特殊能力一課“Almighty” ( No.22 )
日時: 2010/10/11 22:11
名前: 麿ん堂 (ID: nJ9riueE)


第5話「私の家」(後編)

「つ、着いたぁ・・・」
「ご苦労様です、お嬢様。ここからは私が持ちます」
「ありがと」

差し出された此方の手にお買い物袋を乗せる。
あー、腕痛かったー・・・。

******

「「お帰りなさいませ、お嬢様」」

執事やメイドが声を揃えて言う。
これはとても見慣れた光景。

「お嬢様、お荷物お預かり致します」

そう言うのは泉水小太朗。
腰まである濃い水色の髪に紫色の瞳で、元・歌舞伎役者な私の執事。
女形をやっていただけあって、かなりの和風美人さんだ。

「お嬢様っ!俺、上着持ってやるよ!」

そう言いながら無理矢理ブレザーを引っ剥がそうとするのは更科八雲。
オレンジ色の髪に紅色の瞳という元・ヤンキーの私の執事。
・・・持ってくれるのはとても有り難いのだが、私の髪もろとも引っ張るのはやめて欲しい。

「おい、八雲。お嬢様の髪ごと引っ張っているぞ」

と、隣から制止の声をかけるのが更科七瀬。
八雲とは対照的の青色の髪に銀色の瞳の持ち主で、八雲の一つ上の兄。
勿論、私の執事。

「お嬢様っ!今私が助けに行きますわっ!!」

そう言って私に抱き付くのが菖蒲崎華林さん。
綺麗に巻かれた縦ロールの金髪と青色の瞳、真っ白い肌というお人形さんみたいな容姿が印象的な私のメイド。
実はこの人、大企業のお嬢様なのである。
昔、華林さんが不良に絡まれていたのを助けたらとても懐かれてしまい「私、千裕さんのお世話をしたいですわ!!」と言われたのでメイドに。
・・・ってか、

「華林さん、どさくさに紛れて私の胸を触るのやめて下さい」

華林さんはスキンシップが過剰過ぎるのだ。
いちいち胸とか足とか触ってくる。
正直、くすぐったいからやめて欲しい。

「まぁ・・・っ!最近流行りのツンデレですわねっ、お嬢様っ!!」

うっとりとした表情で私を見つめてくる。
・・・ツンデレって何だろう。後で調べてみようかな・・・。

「お嬢様、御夕食の準備とお風呂の準備が整いました。どちらからなさいますか?」

と、何処からともなく出現したのは平氏藤真。
深緑色の髪とオレンジ色の瞳で片眼鏡をしている。
彼はこの家の執事長。
いつも仕事を素早くこなしてくれる、しっかり者だ。

「んじゃ、ご飯からで」
「畏まりました」

一礼して、すぐに仕事場へ戻る。
うむ、良い仕事っぷりだ。

「じゃあお風呂の時は私をお呼び下さい!お嬢様の体の隅々まで洗います!!」
「いや、それは遠慮します」

最近の彼女は何処かオカシイ。
何か悪い物でも食べたのだろうか。

その後はご飯を食べ、お風呂に入って、寝る前に執事たちとババ抜きをした。
そうして夜は更けていったのだった・・・

(お嬢様、左がババですよ?)
(む〜・・・。でもこの前はそう言って嘘だったから・・・今度は騙されないからね!・・・あっ?!ババっ?!)
(ふふっ、素直に従ってればババをひかずに済んだのに)
(う・・・っ。・・・や、やっぱ此方はSだっ!!)
(お嬢様はMですよね?)
(違うっ!!)
(まぁっ!Mだったのですねっ!)
(だからっ、違うってば!!)