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警視庁特殊能力一課“Almighty” ( No.7 )
日時: 2010/10/06 00:03
名前: 麿ん堂 (ID: 0wOvjTDj)

第1話「警視庁捜査一課“Almighty”」

Almighty=どんな事でも出来ること。万能。全知全能。

時は西暦2XXX年、4月。
東アジアに所属する小さな島国・日本、その中でも特に人口が多いのが日本の首都・東京。
元々大都市で人口が多かった所に、ここ十年、科学技術が大幅に発達した為爆発的に人口が増加したのである。
百年位前までは食料危機や人口増加で世界はだんだんと終末へ近づいていたのに、今はそんな心配は必要無い。
昔とは違う、とても平和で安定した世界になったのだ。
と言ってもこの広い世の中、毎日何処かで何らかの事件が起きている。
それを取り締まるのが“警察”。
これは今も昔も変わっていない・・・いや、少しばかり変わってはいる。
“悪”が成長すれば“善”も成長するのと同様に、“悪”が特殊な能力を持つとすれば“善”も特殊な能力を必要とする。

此処はそんな“特殊な能力”を持つ人の集まり。
警視庁特殊能力一課。
通称、“Almighty”。
どんな難解な事件も解決出来る、という事で付けられた。
メンバーは皆二十歳にも満たない少年少女。
所属条件は特殊能力が使用可能な事。
その条件さえ満たせれば誰でも所属出来る。
簡単な様で難しいとは正にこの事。
神に選ばれた者のみその能力は授けられる。
その確率は非常に低い。
最近の研究によると、およそ一千万分の一、だそうだ。
到底知り得ない神の域。
でも現にそのような能力を持つ者もいるのだ。
その一人が私、不破千裕だ。
私の能力は“模写”。
他人の能力を模写する力。
一度見た事はほぼ完璧に出来る。
たとえそれが二次元のでも、ね。
この能力に目覚めたのは三年ぐらい前。
つまり、小6か中1の間。
初めは自分にこんな能力があるなんてビックリしたが、一年もすれば自在に使いこなしていた。
お陰で今は普通に暮らせてる。
能力の事は“Almighty”のメンバーの皆や国のお偉いさんやその他諸々な人には教えてある。
勿論、クラスメイトや家族にも。
皆最初は気味悪がったけど、そのうち和解出k・・・  「きゃーっ!!強盗よーっ!!」 ・・・誰じゃ、私の華麗なる自己紹介を邪魔したのはぁあああっ!!

そう思いながら後ろを振り向けば、こちらに走って来る黒いニット帽を被った男。
・・・うわぁ、すんごいベタな格好だなぁ・・・。
男の格好があまりにもベタ過ぎたので思わず心の中で吹いてしまった。
その隙に私の横を通り過ぎる男。

「逃がすかぁあああっ」

逃走する男の腕を掴んで背負い投げ。
ドォン、と地響きが鳴る。
男は呆気なく地に沈んだ。
その後は一部始終を見ていた通りすがりの人に盛大な拍手を貰うわ、銀行の人に感謝されるわ、と何かと大変だった。

「さて、と」

身だしなみを整え、目的地へ歩き出す。
・・・そう言えば、今日から新しい人が来るって言ってたっけ?
可愛い子だといいなぁ・・・。

******

「よーっす」

ガチャリ、と「特殊能力課」と書かれたプレートが垂れ下がる扉を開けた。
扉の向こうには見慣れたメンバーが勢揃い。

「何じゃ、いつもより遅かったのぅ」

と紅茶を啜りながら言うのは炎澤火音先輩。
身長145センチ、体重39キロという小柄な体型に、その体型にピッタリな幼い顔。
そして何よりその容姿には不釣り合いな古風な言葉使いが印象的な高1のお兄さん。
能力は、“力”と“火”と“炎”。

「・・・・・・・・・今日のおやつは大福とマフィン」

と抹茶を啜りながら言うのは水織音氷斗先輩。
火音先輩とは対照的な身長195センチ、体重82キロという高身長の持ち主。
無口だけど優しい高1のお兄さん。
能力は、“速さ”と“水”と“氷”。

「あれ?三つ子は?」
「どうせアレじゃろ?居残り」
「ふぅん・・・」

マフィンを食べながら抹茶を啜る。
美味い。
和洋折衷とは正にこれだな。
その後も三つ子が来る1時間後までまったりと午後のティータイムを楽しんでいた。