コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.2 )
- 日時: 2010/10/04 21:11
- 名前: 癖毛太郎 (ID: PhoX.UcX)
- 参照: http://kusege
初めまして。 題名から面白そうなんで来ました。
更新頑張ってください。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.3 )
- 日時: 2010/10/04 21:12
- 名前: 零十 (ID: kSUj1nMa)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/hououtou/MYBLOG/yblog.html
第一章【魔王の女の子との出会い】
〜ここで少しナレーション目線になります〜
焦りながら服を着用し、急いで階段を駆け下り、自分の母親に「おはよう、そして行ってきます!」
玄関前に置いてある自転車を発進させ、夏の路道を全力で走る男子が一人。
髪型は整えておらず、ボサボサ。いわゆる天然パーマと呼ばれるもので、黒髪、瞳は茶。
どこにでも居そうな高校一年の彼、鈴原千流。
全速力で自転車をこぎ、彼が向かう場所は、ゲームセンター、『サカヅキ』。
暦町で、学生たちがよく集うゲームセンターである。セシルもかなりお世話になっている場所だ。
そんな学生たちの憩いの場に、千流は自転車を飛ばした。
千流がサカヅキに到着したのは、出発から約三十分後の事である。
駐輪場(と化しているただの路道)に自転車を置き、店内に直進していく。
夏休みの影響か、店内は学生で溢れかえっていた。
この中から、自分の友人を探すと千流は考えてみる。
苦笑いしか出てこなかった。
それよか、千流は三十分も遅刻している。もし友人を見つけたとしても、何か言われるのは確実だ。
それがセシルの心をどんよりと曇らせ、歩幅を狭くさせる。
しかし、彼等はやってきた。
「千流ッ!!」
ビクッ! という擬音語が聞こえるほどに、千流は体を震わせた。
恐る恐る振り返る。声の主は、やはりそこにいた。
「……お、おはよ。早川」
「うんうん、おはよう千流……って違う! 遅刻だ遅刻!」
ノリ突っ込みを入れる千流のクラスメイトは、腰に手を据え、吐息を漏らす。
茶髪のポニーテール、髪色と同じく、瞳の色は茶色だった。
彼女がセシルの『友人』。早川 千鶴である。
「とにかく!」と言うが早いか、行動が早いか、千鶴は千流の腕を掴み、自分のペースで引っ張って行った。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.4 )
- 日時: 2010/10/04 21:48
- 名前: 零十 (ID: kSUj1nMa)
>>癖毛太郎氏
初めまして、この小説の作者、零十です。
やはり、面白い小説というものは、題名から面白いものなんでしょうかね?
個人的には、小説内容に合わせてに考えたモノだったのですが……。
駄文小説で申し訳ないのですが、宜しくお願いしますね。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.5 )
- 日時: 2010/10/04 21:49
- 名前: 零十 (ID: kSUj1nMa)
〜性懲りもなく、再びナレーション目線です〜
千鶴になされるがまま引っ張られ、名も知らぬ学生たちにぶつかりながら、千流は、自分達の集会場についた。
集会場、といっても、秘密基地のような大層なものではなく、ただゲーム機がたくさん揃っているだけの集い場である。
「おー、やっときたか〜待ちくたびれたで」
「よ、軍曹」
千流が軍曹と呼ぶ男は、かっかっかと笑い、両手をひらひらさせながら言った。
「オレはもう軍曹ちゃうでえ? 今日からオレは少佐や!」
「少佐? 階級上ったのか?」
「せや! トライトでな! 命中率が89%の状態で全クリしてな! 軍曹から少佐へ飛び昇段や〜!」
トライトというのは、サカヅキを始め、全国のゲームセンターに必ず一台は置いてある。無ければモグリと称されるわれるほどの人気なシューティングゲームだ。
ただ単に人気なだけではなく、難易度も非常に高い。全クリする事も難しいそのゲームを、軍曹改め少佐は、命中率89%でクリアしていたようだ。
千流の得意分野はシューティングではない為、あまり興味を持てないゲームだったが、少佐はツンツンウニ頭を歓喜に振り、踊っていた。
「あ、千流君到着かな?」
と呟きながら、オレンジジュースを四つ盆に乗せて持っている。小さな体が現れた。
茶色のショートへア、瞳の同じく茶色で、背丈は千流の腰程度の少女。
ロリ属性たっぷりの少女は、早川 千春。千鶴の妹である。現在中学二年生。
「千春ちゃん、お疲れさん」
千春の盆から、オレンジジュースのカップを一つ取り、少佐は見た目幼女の頭を撫でた。
「はい、千流君もお姉も」
「ありがと千春」
盆からオレンジジュースを取り、そのまま一気に中身を吸いあげる千鶴。
白いストローから中身が通り、白いストローは瞬時にオレンジ色となる。
それを一瞥して、千流も盆からジュースを取り、最後のジュースを千春が取る。
そしてやっと、千流達の。少々遅い一日が始まろうとしていた。
現在、AM11時ジャストである。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.6 )
- 日時: 2010/10/04 21:41
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: gWH3Y7K0)
こんばんは〜
さっそく読みました。なるほど、確かにちょいと繋がってますね、『ガールフレンドは都市伝説』と。
零十さんの中々の自信作ですか! 続きが楽しみです^^
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.7 )
- 日時: 2010/10/04 21:52
- 名前: 零十 (ID: kSUj1nMa)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/hououtou/MYBLOG/yblog.html
>>朱雀氏
本当にほんのちょっとだけなんですけどね?
兎に角、頑張りまふ。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.8 )
- 日時: 2010/10/05 21:43
- 名前: 零十 (ID: H6B.1Ttr)
ゲームセンター『サカヅキ』異常な人気を誇るその理由は、全てのゲームが無料であることだ。
といっても、特に景気が良いわけではない、最近はどちらかというと不景気な方だろう。
それにも関らず、普段となんら変わらない営業を続けているサカヅキで……。
俺は、膝をつき、手を床に置いて、頭を下げていた。
「申し訳ありません、少佐」
「いや、別にそこまでせぇへんでも……」
俺が頭を下げている理由は、まぁ、ゲームの事だ。
先程まで、俺と少佐でトライトをプレイしていたのだが、見事に俺のキャラが死んだ。
しかも、このトライト、二人プレイの場合、どちらか片方がやられると、強制ゲームオーバーになるのだ。
なんという暗黒のルールだろうか……苦笑いすら出てこねえ。全無料は孔明の罠だったに違いない。
「何、結局はタダやし、今日は運良く人も少ないし、もっかいプレイすりゃいい事やろ」
「慈悲深い御心、真に感謝致す」
——そして一時間が経った。
場所変わり、サカヅキ内のネットカフェ施設にて、俺はだらだらとネットサーフィンをしている。
完全に個別行動状態になっているが、特に気にする事は無いだろう。
早川と千春は、近くで太鼓の仙人で遊んでいるし、少佐は某ゲームで盛り上がっている。
で俺は、ネットサーフィンで、怖い話を漁っているというわけだ。
「……む?」
その時、俺は、不思議な名前のサイトを見つけた。
そのサイトの名前は……『黒』とたった一文字だけ……。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.9 )
- 日時: 2010/10/06 21:03
- 名前: 零十 (ID: 8/zIX84z)
『黒』というサイトを一通り見た後、ブラウザの×をクリックして閉じてから、ふと時計を見る。
もうすぐ六時という所だった。そろそろ帰らなければならない時間だ。
「また明日な」
「今度は遅刻するなよ」
千鶴に釘を刺され、思わず怯む。この女、しつこい。
それから家に帰り、親の作った晩飯を食べて、自分の机に向かうは良いが、宿題の多さに絶望して。十二時に結局ベッドへ。
ちなみに、宿題には全く手がついていない、新品同然の状態である。
それから、ニ時間位経った頃だろうか?
「眠れん」
暑すぎる。俺の部屋は、うだる様な暑さに支配されていた。
窓は開いている。そこまではいい、だが、風がなけりゃあ状態は同じだ。
夏の悪魔に世界が支配されるのは、もはや時間の問題となるだろう。
あまりの暑さに、俺は言ったんベッドから起き、下の階に下りた。
暗闇と熱が共同し、ある意味地獄とも言える状態と視界の中、俺は、玄関にある姿見に目が向かった。
サイトに書いてあった事を、ふと思い出す。
俺があのサイトで見て、一番興味を持ったのが一つだけあった。
それが、まあ、ありがちだが、午前二時に姿見の前に立ち、合わせ鏡をすると、別の世界にいける。という物だった。
現在、午前一時55分。サイトに書いてあったことを確かめるには丁度よすぎる時間だ
「……やってやろうじゃねぇか」
好奇心とは怖いもので、俺は午前二時三十秒前、手鏡を持って姿見の前に立っていた。
合わせ鏡で使う鏡は、特に指定は無いようだったので、近くにあった手鏡を選んだ。
「10、9、8、7……」
時計を見ながら口に出してカウント。
「3、2、1、0……」
姿見を覗く、俺は冷や汗でびっしょりになっていた。
沈黙が辺りを包む。俺はやっぱりな。と呟いた。
「そうだよ、悪魔なんて居る筈ないんだ。なにをやっているのかねえ、俺は……!」
あ……ありのままに今起こったことを話すぜ、俺は変な儀式を終えて、深呼吸した後、もう一度鏡を見たら、俺の姿が無く、代わりに、知らない場所が移っていた。
な……何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も今この状況を理解できないんだ。
鏡の奥に、薄らだけど、人影が見えた。一人ではない、恐らく四人。
その中の三人は、槍のようなもので武装して、一人を追い詰めていた。
追われていた一人は、少女。
三人が女の子を追う、必死に女の子は逃げた。が。
彼女を追う一人が、指先を女の子に向けた。途端、何かの塊が、凄い早さで女の子に命中した。
女の子は吹き飛び、切り立った崖に落ちていく、三人は追うのを止めて、どこかへ去って行った。
気付けば、鏡には俺の姿が映っていた。
今のは……一体、なんだったんだ?
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.10 )
- 日時: 2010/10/06 23:48
- 名前: 零十 (ID: 8/zIX84z)
さて、皆様に想像してもらいたい。
もし、もしもだ。自分の部屋の、自分専用のベッドで赤の他人が寝ていたとしたら。
しかもそれが、年端もいかぬ『女の子』だったとしたら……。
「……苦笑いすら出てこねぇ」
さて、俺こと、鈴原千流の現状を確認しよう、いや、させてくれ五秒くれ。
変な儀式の後、鏡の中の不思議な光景を見て、部屋に戻った。
鏡の中の事が気になったが、思考より睡魔が勝り、さっさとベッドに横になろうと思った時だ。
——そこには、知らない奴が居た。寝てた。
無論の事、俺の頭を征服しかけていた睡魔達は、驚愕という感情にあっさりと吹き飛ばされた。
さよなら睡魔、そしてこんにちは、俺のベッドで寝てる誰か。
部屋に入る際に電気は付けた。その為、ベッドで寝てる誰かの姿くらいは見える。
紫色の髪、そして少し長めのアホ毛、服装まで紫色のドレス。
そこまで見た時、ふと綺麗な物が俺の目に映った。
同じく、紫色の宝石がはめ込まれたティアラだ。それは女の子の頭から取れて、枕の上にある。
「かなり高価そうなものだな、何処かのお嬢様なのか……?」
そっとティアラに触れる。その瞬間——
「————ッ!?」
指先から激痛が走る。ついでに俺の体は吹っ飛んだ。
右腕が焼けるように痛む、されたことは無いが、まるで腕をそのまま丸焼きにされた様な痛みだ。
「ってぇ……」
ふと、顔を上げる。
さっきまで寝ていたはずの少女が起きていて——
目があった。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.11 )
- 日時: 2010/10/07 21:16
- 名前: 零十 (ID: 8/zIX84z)
「ぬおわッ!」
悲鳴を上げ、少女はベッドから飛びのく。相当驚いているらしく、俺の方に指を刺して、口をパクパクさせていた。
かという俺も、いきなりの少女の目覚めに驚いている。てか、驚かない方がおかしい。
「に、人間! なぜ人間が魔界に!」
魔界ですと?
周囲を見回してみる。ふむ、見慣れた俺の部屋だ。
もう一度少女の方を見て、俺は言った。
「君は?」
「……我は……」
そこまで言って、少女は黙った。
五秒の沈黙。
「……まさかとは思うけど、名前が無いとか?」
「……」
彼女は黙ったまま……頷いた。頷いたよ、名前が無いってよ、この子。
あまり信じたくないが、彼女には本当に名前が無いようである。
よし、質問を変えよう。
「君は何処から来たんだ?」
「……天界の、魔物たちの住むところ。総称して魔界と呼ばれる所だ」
魔界……か。物凄いファンタジーな場所だな。まぁそれはともかく。
「どうやって此処……君が言うなら、人間界に来た?」
「分からない、深い谷に落ちて意識を失ってな、ここへ来れた理由はさっぱりなのだ」
谷に落ちた?
ふと、思い出す。さっき、俺が鏡の中で見た光景を……。
武装した大人に追われる女の子、そう言えば、目の前に居るこの子くらいの大きさだった。
そして、俺が行った行為。それは悪魔を呼び出す為の方法。
もしかして、俺がこの子をここへ呼び出してしまったのか?
「……はぁ」
まさか、こんな摩訶不思議な事が本当に起きてしまうとは……。
そりゃ俺だって、時には非日常な事が起きてはくれないだろうか。と思う事はあった。
便利な道具を出してくれるタヌキ型ロボットや、家に居候する宇宙人、口から電撃を出す子供。
そういう出来事が、出来たら暇な時にでも、俺の目の前に現れてくれないか。と思うときもあった。
だが、実際それが起きると、本当にカオスな事に、俺は気付かされたのだった。
- Re: 俺と魔王の女の子!? ( No.12 )
- 日時: 2010/10/09 22:52
- 名前: 零十 (ID: YD0nNCEn)
さて、俺こと鈴原千流は、現在進行形で困っている、本当に困っている。カオスとしか言いようが無い状況にとても困っている。
目の前に居る、頭に角が生えていて、本来なら、彼女の頭に乗っているであろうティアラを指先で弄り、元気なくアホ毛が垂れている彼女に。
何処から来たと聞けば、魔界から来た。名前は? と聞けば無い。と言われた。
何だよこのカオスな、非日常な、苦笑いすら出てこねぇ展開は?
笑えばいいのか?
彼女はティアラを弄るのを止め、頭に乗っけた。容姿が子供なのに対し、似合う。
だが、彼女の頭には少し目立つ長めのアホ毛は、元気なく垂れていた。
「あのさ、今更な質問だが……君は魔界の何者なんだ?」
「我は、魔界を統べる魔王だ」
「へぇ〜、魔王ねぇ。魔王……魔王!?」
魔王って、あれだよな? RPGとかのラスボスを勤しんでるやつだよな。
一瞬、○ーマとか、ラプ○ーンを思い浮かべて、目の前の少女を見る。
確かに、魔王らしき風格は持っている。角とか。だがそれを除けば、コイツはただの子供にしか見えない。
「あのさ、それって冗談抜きでか?」
「む、我は嘘は言わぬ、魔王たるもの、常に正直であれ! これ、父上の教えだ」
「はぁ……さ、さいですか」
父上殿が余程好きなのか、さっきまで元気の無かったアホ毛はピンと立たせ、彼女は胸を張った。
どうやら、この子の住んでいる魔界ってのは、RPGゲームの舞台には似合わないほど平和なようだ。
恐らくだが、生活の仕方も俺達とほとんど変わらないだろう。
頭の中で魔界の構造を想像して、俺は薄く笑った。
「だが……」
「?」
「魔界はもう、無くなってしまった」
思わず「えっ……?」と呟いてしまった。
この子の故郷は魔界で、それが無いって……。
魔王はベッドに座ったまま俯く、アホ毛も元気なく垂れた。
「父上、母上、家臣の皆に会いたい……」
「……お前、名前が無いんだったな」
「……」
全く——
「なら、俺が付けてやるよ、お前の名前」
苦笑いすら出てこねぇ。
「アリサ、お前は今日から、アリサだ」