コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

 2 ‐ 06 ( No.32 )
日時: 2010/10/18 21:22
名前: 風無鳥 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

◆ 2 ‐ 06

「お待たせ! それで、なんだったっけ」

 トイレから戻ってきた紫音は、からっとした笑顔だった。自分の中で考えた結果だろう。それなら俺は何も言うことは無いはずだ。

「あ、クレア様……ええと、」
「紫音にして、ルゥ。クレアってなんか違和感あるから」
「そ、そうですよね。でも御主人様ですから……。じゃあ、紫音様ってお呼びさせていただきますね」

 戸惑いながらもにこっと笑うルーニャ。うん、性格は生意気だけれど可愛い。やっぱり「鬼」がついてるとはいえ猫だもんな。

「えっとですね、それでルゥとしては——いえ、ゲアハルト様のお考えは——」

 ルーニャがなぜか俯き、言葉がきれた。どうしたの、と紫音が声をかけると視線を迷わせる。何かあるのか?
 仕方ないので次の言葉を大人しく待っていると。

「玲ー、ご飯ー! 紫音ちゃんはどうするのー?」

 げ、下から姉ちゃんの声が。う、どうしよう。飯、か……。

「奏さん……」
「あ……」

 顔を見合わせる。実は俺はかなり腹がすいていて腹からSOSの音が何回も出ている。だけど話は聞きたい。それは紫音も同じだろう。

「うー……じゃあ、また明日に。明日——この部屋で話します。紫音様、それでよろしいでしょうか」
「ええ、わかったわ」

 俺には了承を取らないのか。そして俺の部屋を使うのは決定なのか。
 そう言いたかったけれどそうしたらあーだこーだ言われる気がしたので喉まで旅してきた言葉には辞退していただいた。ああ、早く飯が食いたい。

「それじゃ、」

 紫音は部屋のドアを開ける。勿論俺も下に行くためついていく。ルーニャは、と振り返ると窓のところに。

「え、ちょ、」
「だってルゥがこの家にいたのは内緒だったしさ。ルゥは空、飛べるからね」

 そういやそうだった、俺が気絶して運ばれてる時はルーニャは家族に姿を見せないため隠れてた、って紫音が言っていた。別に深い意味はなく、「勝手に猫をいれたら迷惑だし、理由を話してると長いから」だそうだ。
 ……あれ、ルーニャの住処ってどこにあるんだ?
 そう聞こうとすると、もう窓にルーニャの姿は無かった。



瑞原奏さん。お姉さんです。奏は結構あとに詳しく説明すると思われまする。
え? ゲアハルト? 自分でも変な名前だと思いますwなんか魔王っぽい感じにしたくてw