コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: キーホルダー。 ( No.9 )
日時: 2010/10/14 22:07
名前: まっしー (ID: V4iGFt6a)

♯1『友情とキーホルダー。』


「安佳里ぃ…。あたし、転校なんてイヤだよ…。」

「泣かないでよ…ひなぁ…あたしだって、ひながいなくなったらどうすればいいの…??」


ひなとは、1番の友達————…ううん。あたしにとっては親友。

それに…たった1人の友達——————…。

中2のクラス替えでみごとに中1の友達と離れて心細かったあたしにひなが話しかけてくれた。

『もし良かったら————————…と、友達になってくれない?/////』

うれしかった。こんなあたしに声をかけてくれたこと。

そして、あたし達は友達になりこれまで一緒にずっとずっといた。

そんな当たり前のようなことがずっと…ずっと続くと思ってた。

それなのに—————…別れは突然に訪れたんだ。

そして、現実へとつながる。

「安佳里…。あたしがあげたキーホルダー。…今、持ってる??」

ひなが泣きながら聞いてきた。

「持ってるに決まってるじゃんッ!!!!」

あたしは、笑顔でひなを見送ろうと思ってた。

「そのキーホルダーをずっと…持ってれば、いつか…いつか、きっとまた会えるよね…。」

ひながそんなことを言った。あたしには、笑顔でひなを見送ることなんかできなかった。

「う…ひなぁ!!!ひなぁぁぁぁ!!!!」

「安佳里ぃ…。引っ越すなんて、あたしヤダよッ!!!!!」

それが、ひなの初めて聞いた大声だった。

「このキーホルダー。ずっとずっと持ってるね。また…ううん。会えるよね!!」

「うん…。絶対会えるッ!!向こうに着いたら連絡するね。」

「うん。…バイバイ。」

「元気でね…。」


これが、ひなと最後の会話だなんて思ってもみなかった。

メールではやりとり出来た。だけど————…会えるなんて出来なかった。


友情は、やっぱり儚いものだったのかな…?






♯1、終了。