コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Heart Break No Wing 10話 ( No.12 )
日時: 2010/10/27 17:14
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)


_______時は流れ新人戦当日。

季節は8月、入部してからもう5ヶ月が経とうとしていた。
三年生は、6月の最後の総体で団体戦2回戦負け...個人戦では、キャプテンがシングルスベスト8というのが最高成績だった。

三年生は、みんな泣いていた。
監督も泣いていた。
そして俺たちも泣いた。

.....3年生の最後の勇姿を見て思った。
俺も輝くことができるのだろうか...


__今日は新人戦。俺たち一年の最高の舞台。

.......この新人戦が行われる一ヶ月前にプレ新人戦という、要するに新人戦のシード権を決めるための大会があったのだが、監督の指示で大会にはでなかった。

早速、我ら咲崎南工業高校バドミントン部が会場入りする。

会場は大勢の人だかりだった。
俺たちは、中央地区に分類している。
中央地区で新人戦にエントリーしている高校は、12校

今回の団体戦のシード校は、第一シード 神崎清陵高校、第二シード迅真工業高校、第三シード沢城南高校、第四シード大波鳳鳴高校。

...先輩たちによれば、この四校は他の高校に比べて桁違いに強いのだそうだけれど、そんなことは知ったこっちゃない。

「1年、あと30分で団体戦の一回戦が始まる...今のうちにアップしとけよ〜」
...監督が言う。

周りを見るとすでにいくつかの高校が、一列になって体育館の周りをグルグル走り回っていた。

「それにしても、女子多いなぁ〜」
...そう言って鼻の下をのばしてる文耶。

...まぁ、工業高校だから無理ないかぁ〜
.....たしかに可愛い子は多いな...

「あれ?優羽も鼻の下伸びてんぞ〜」
...文耶に言われる。

「うっせ〜!!変態に言われたくないね!!!」

「んだとコノヤロ〜!!!」

「はいはい、そこまで...団体戦近いんだぞ、これで負けたら監督のプロテイン事件の件どうなるのかな?」
....D輔、そう言うことだけ物覚えがいい。

「俺らがこんな糞みて〜なやつらに負けるわけねぇ〜だろ....見て見ろあの練習風景...あれじゃまんま初心者じゃねぇ〜か」
文耶が言う。

....確かに、他校の練習風景を見るととてもバドをしているようには見えない。
それに、俺たちに比べてやたら部員が多い。

「おい、1年そろそろ行け」
...今大会では、観客の2年生倉町先輩が言う。

「はいッス♪」
...俺たちは、試合道具を持って二階の観客席から一階の体育館へと移動する。

「よ〜し、みんな〜全力で走るぞ〜.....せ〜の、うおぉぉぉぉぉ!!!!!」
俺たちは、全力で体育館のまわりを走った。

「は?、あいつら試合前なのにあんな全力で走ってバカじゃねぇ〜の」

「あの高校、終わったわね...」

「アホだな...」

....いろんな声が聞こえてきた。
けど、俺たちは気にもしていない......いつでも全力、それが俺ら1年のモットーだから。


....約10分全力で走ったけど、ぜんぜん疲れない....逆に回復しているくらいだ。

「練習コート交代の時間です.....咲崎南工業高校は、第三コートにお入りください。」
...アナウンスが流れる。

ここの体育館は、10コート張れる。
配置は5コートずつ、2列になっていて今回俺らが使うコートは第三コート...ど真ん中のコートだ。

_____俺達は、練習を開始する。

ネットを挟んで、俺と文耶、岡見と打矢、武田と真嶋、余りのD輔は倉町先輩と組む。

また、このペアは今大会のダブルスのペアでもある。

....そこに監督が現れる。
「お前達、今の練習時間はたったの5分しか与えられていない...スマッシュだけでいい、やれ」

「はい」

...俺たちは、早速スマッシュ練習を始める。

「いくぜ、優羽!!」

「おう!!」

俺が、上げたシャトルを文耶がスマッシュを打って返してくる。
俺は、そのシャトルをバックハンドでネット前に落とす。
すかさず文耶がヘアピンでネット前に落とす。
そのシャトルを俺がネット前にヘアピンする。
そのシャトルを今度は文耶があげる。
そして俺がスマッシュを打つ。
文耶がネット前に落とす.....の繰り返し。

この練習メニューを俺たちは、『スマッシュ交互』と呼んでいる。

....補足だが、ヘアピンとはネット前の羽シャトルを回転やスピンをかけて、ネット前に落とすことである。

.....こんな広い体育館で打つのは初めてだ。

俺らのスマッシュが凄すぎるのか、観客の視線を感じる。

「練習時間終了です.....各コートの整備にあたっている高校は、整備にあたってください......男子団体戦一回戦のコールは、10時15分を予定しています。」

____さぁ始まる。俺たちのシナリオが!!