コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Heart Break No Wing 11話 ( No.13 )
日時: 2010/10/28 16:50
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

____中央地区新人戦 男子団体一回戦『咲崎南工業高校VS遊学館高校』

いよいよ、団体戦一回戦が始まる。
団体戦のルールを説明すると、各校の監督がオーダー用紙にトップダブルス、セカンドダブルス、トップシングル、セカンドシングル、サードシングルの選手名を書き込む。
トップダブルスとは、最初にでるダブルス。
セカンドダブルスは、トップダブルスの次に出るダブルス。
シングルスも同様だ。
でもこういう大きな大会の場合、時間が限られているので、コート二面で展開される場合が多い。
今回もそれだ。

先に3ゲーム取った高校が勝ちだ。
ゲームは、2つのダブルスの後にシングルスが行われる。
よって、先にダブルスを2つ先取してしまえば、あとは3つあるシングルスのどれかをとれば勝利は確定する。

今回の団体戦のオーダは、
トップダブルス 佐藤・桜野組
セカンドダブルス 打矢・岡見組
トップシングル 真嶋
セカンドシングル 桜野
サードシングル 佐藤

と言うオーダーだ。

早速、コートに入る。
隣のコートには、岡見・打矢組が入る。

...俺たちの相手は、いかにも中学校で野球やってましたオーラを出しているやつと、黒ぶちめがねの少年だった。

___まず、それぞれ握手をし、軽く羽、シャトルを打ち合う。
...この空気と湿度からすると、若干力は弱めでいいな....
羽、シャトルは微妙な湿度で飛距離や速度が変わる。

この一瞬の羽のやりとりでそれを確認する必要がある。

『ファーストゲーム、ラボールプレー!!』
...主審が合図をする。試合開始だ。
サーブは相手からだ。
....そして、そのサーブは俺が受ける。

ダブルスでのサーブは、基本ショートサーブだ。

ここで、ショートサーブとロングサーブの違いを説明しよう。
ショートサーブとは、ラケットをバックハンドで持ちセンターラインギリギリから、打つサーブでネット手前に落としてもいいし、後ろのラインギリギリに落としてもいい。
ロングサーブとは、ラケットを下から上に振り上げサーブすることで、初心者はこちらのサーブを多様する。

そして、今の相手はショートサーブを選択した。

...相手が、打つ。
.....球が白線から浮いている...浮きすぎだ。

こんな球、回内で潰せる!!

...俺は、サーブされたシャトルを、内旋を使って地面に叩きつけた。

回内(内旋)というのは、肘から上を内側に曲げ、手首のスナップをきかせ、シャトルにとてつもない勢いをつけると言う、うちの高校だけの技らしい。

早速、一点先取だ。
....相手は、ビビってしまっている。

...サーブ権は、得点を入れた方にまわってくる。
従って、今サーブ権はこちらにある。

...俺は、ネットの白帯ギリギリにショートサーブしてやる。

案の定、相手はネットにシャトルを引っかける。

...バカだな..

そして、俺一人で二セット先取してしまう。

一セット目
咲南 21-0 遊学館
二セット目
咲崎 21-0 遊学館

相手は、一点も取れないまま終わった。
こういうパーフェクトなゲームをバドミントン界では、ラブゲームと呼んでいる。

....観客席から歓声がわき起こる。

「こんなん試合じゃねぇ...」
...俺のダブルスのペアで今の試合でまったく活躍しなかった文耶が言う。

「ああ、確かに相手弱すぎだろ...」

「次の試合は、俺にも出番よこせよなぁ〜!!」
...悔しがる文耶。

「ごめんごめん.......えっと、岡見と打矢のダブルスは〜?」
...打達のダブルスも相手の得点を一桁だいに押さえて余裕の勝利をしていた。

あとは、シングル一個だけだな...

俺と文耶がさっき試合していたコートには、もうトップシングルの真嶋が試合していた。

....様子をみる。

.......余裕だな。

真嶋は、相手に18点の差を付けて勝った。

同時に、咲崎南工業は、3ゲーム先取したので二回戦進出となった。


.....監督が歩いてくる。

「お前ら...手、抜いただろ....ばかやろー!!!!」
...監督がブチ切れる。

「どんなに弱い高校でも、決して手を抜くな....相手に失礼だろ!!!.....まぁ、次にあたる第一シード...神崎清陵高校は、遊学館とは次元が違うから覚悟しておけ......去年うちも苦戦した高校だ...」