コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Heart Break No Wing 2話 pt3 ( No.14 )
- 日時: 2010/11/09 13:27
- 名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)
___中央地区新人男子団体準々決勝『咲崎南工業VS神崎清陵』
今回のオーダーも前回と変わっていないみたいだ...
各校試合前の挨拶を交わし、いよいよ試合開始だ。
トップダブルスの俺と文耶は、コートに入る。
.....対戦相手は、結構顔立ちが整っている二人でなかなか手強そうな相手だ。
.....最初のサーブ権はこちら側にきた。
「文耶、俺さっきの試合でサーブ打ったから次お前打てよ」
「ああ、もちろんそうさせてもらうよ」
.......文耶がショートサーブを打つ。
うん、ネットの白帯ギリギリ、そしてセンターラインギリギリ.....この球は初心者には取れない...........なに!?、取った!!
相手が、返したシャトルは、大きな弧を描いて自分のコートのバックラインギリギリまであがった。
さすが、神崎
「文耶、つなぐぞ!!」
...俺は、バックラインまで金子監督から伝授された高速バックステップ使いさがって、シャトルを相手コートのバックラインに返した。
すかさず、相手はシャトルをスマッシュで返してくるが........スマッシュの威力が弱い...
俺は、弱々しいスマッシュをネット前に落とす。
相手は、予想どうりあげてくる。
「文耶!!!、俺たちのスマッシュを見せてやれ!!!」
後衛の文耶に言う。
「フッ....まかせろ!!!」
...文耶は、あがったシャトルの落下位置を瞬時に計算し、高速バックステップでその位置の一歩後ろに移動。
そして、飛ぶ。
あの地獄ともいえるスクワットで鍛えられたジャンプ力は凄まじく、マサイ族に匹敵するほどだ。
体をひねり、腕と肘からさきもひねり、シャトルがラケットのスイートスポットにヒットするタイミングで、体を一気に元に戻し、腕と手首の回旋を使い、最大の力で爆裂なスマッシュを解き放つ。
...........これが、咲南のスマッシュだ。
...........言うまでもなく、俺たち咲崎南工業高校は、団体戦、個人戦共に表彰台を埋めた。
監督の願いは叶った。
新人戦3連覇。
...........この重みを俺たちは何も分かってはいなかった。
結果
男子団体 優勝
咲崎南工業高校
準優勝
沢城南高校
個人戦男子シングル
優勝
佐藤文耶
準優勝
桜野優羽
三位
岡見隼人
男子ダブルス
優勝
桜野・佐藤組
準優勝
岡見・打矢組
三位
真嶋・武田組
.......閉会式終了後、地方テレビ局のインタビューを受ける。
「今大会のシングルス、ダブルス共に活躍された咲崎南工業の桜野・佐藤組にインタビューです!!」
「今大会がデビュー戦となりましたが、どのような気持ちで挑まれましたか?」
....マイクは、文耶の方に向けられている。
「まぁ、今までやってきたことが無駄じゃないんなら間違いなく勝てると思って、試合にいどみました」
「いままでやってきたこととは?」
「トレーニングですよ」
「では、並はずれたトレーニングをされたと言うことですね〜......今大会のMVPに選ばれた桜野さんは、この大会どうでしたか?」
今度は俺にマイクが向けられる。
「今回この大会でこのうな成績を残すことができたのは、監督、そして先輩や仲間の努力があったからです......正直、自分一人ではこのような結果は、残せませんでした。俺たち一年のモットー知ってます?.......『自分の限界を作らない』正直最初はバカみたいだと思ってました.....でも、俺には負けられない理由があるんです.......」
「ズバリその理由とは?」
「次の全県大会でお会いしましょう....」
俺たちは、その場を去った。
俺達はただ歩いているだけなのにまわりは、みんな俺たちを見ている。
.....後ろから声を掛けられる。
「あ、あの....すみません!!」
俺の後ろを歩いていた、打矢が振り向く。
「なに?」
「い、いえ.......桜野さんに...//」
振り向くと、晴華高校の制服を着た、背の低い少女がいた。背中にはラケットバックを持っている。
そして、その子の周りには、どこの高校か分からない制服を着た女子や、同じく晴華高校の制服を着た女子が群れをなしていた。
「え?、なに?....」
「あ、あの〜....よかったら、アド交換してくれませんか?......迷惑だったらいいんです.....」
....この子、勇気振り絞ってきたんだろう....顔真っ赤にして、今にも泣きそうだ。
俺が断ったら、完全に俺悪者だろうな...
「別にいいけど、俺なんかのアドでいいの?.....」
「はい!!、ありがとうございます!!」
その子は、深々とお辞儀をする....
「あの...桜野さんって、彼女とかいらっしゃるんですか?」
背の低い少女に聞かれる。
「....いないよ」
「そうなんですか.....今日は、本当にお疲れさまでした」
...その子は、ほっとした顔で礼をすると、その場はら立ち去った。
その後から、晴華高校の女子生徒が追いかける。
「あの、桜野さん.....私もいいですか?」
見たことのない制服を着た、ポニーテールの女子に言われる。
「お〜い、桜野〜」
そのとき、団体決勝戦であたった沢城南高校のトップダブルスの一人、高坂亜澪士(コウサカ アレジ)が向こう側から走ってきた。
「おう、アレジだっけか.....珍しい名前だから覚えちゃったよ」
「そりゃ光栄だな」
....二人して笑う
「ちょっと、アレジ、邪魔しないで!!」
さっきのポニーテールの女の子が言う。
「あれ、美里....なにやってんの?」
....アレジが聞く。
「アレジ、知り合いなの?」
「同じ高校」
この制服は、沢城の制服かぁ〜
「今、桜野くんにアド交換してもらうの!!」
「ほんとに俺なんかのアドでいいんですか?.....」
「桜野くん、あなた自覚してないの?......」
「なにがですか?」
「とりあえず、アド交換!!」
....仕方なく、赤外線で送信する。
「あ〜あ、やっちゃったね〜....桜野くん」
アレジが言う。
「桜野くんありがと.......知らないアドには気をつけてね♪」
そう言うと美里さんは、向こうへ行ってしまった。
「優羽、人気者だなw...でも俺もアド交換して貰ったぜ〜」
隣で、文耶が言う。
「じゃ、俺そろそろ行くわ.....またな優羽、次は全県新人で!」
そう言って、アレジは去って行った。