コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Heart Break No Wing 3話pt2 ( No.16 )
- 日時: 2010/12/15 16:25
- 名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)
「はい、ご苦労様......じゃ、約束通り上位七名をつれて行くことにする、いいな」
練習の最後に監督が発言する
結局、行けるのは
俺と文耶、岡見、俊介先輩、倉町先輩、葛西先輩、打矢となった。
______翌日、俺たち七名は金子監督と高久顧問の自家用車で晴華高校を目指した。
一方残留組は、今頃第二体育館で自主練をしている頃だろう
金子監督の車には、俺、文耶、打矢、岡見が乗り、あとの倉町先輩、葛西先輩、俊介先輩は高久顧問の車に乗った。
この配置は、先輩と話した結果、一年と二年で分かれて乗ったほうが落ち着くだろうと言うことでこうなった。
車の中で金子監督は言う。
「一年、相手が女子だからってなめてると、やられるからな.............あそこには、経験者がわんさかいる、少なくともバド歴は晴華高校の一年生のほうが上だ」
......たしかに、新人戦、女子は一校だけずば抜けて強い高校があった.........
......晴華女子高等学校
「気を抜くとまずいな......」
後部座席で打矢が言う。
「お前、最初から気を抜く気でいたのか?」
隣に座る文耶が問う。
「ち、違うけど..........相手は女子だぜ...」
.......打矢は、ムッツリだからなぁ...
そう言う気持ちになるのも無理ないかぁ
「....ったく、女子か男子かなんか関係ねぇ〜、ただ付いてるか付いてないか......違うのはそれだけだろ、忘れたか?、俺たちのモットー」
俺達は、声をそろえて言う。
『限界をつくらない!!』
運転席の金子監督が少し微笑み、到着を知らせる。
「着いたぞ、お前ら一年は練習試合初めてだったな、体育館着いたら、キャプテンの指示に従って行動するように、いいな!!」
女子校という、男子禁制の領域に足を踏み入れるドキドキを感じながら返事をする。
「はい!!!」
晴華女子高等学校
随分古い学校だ........歴史は、我が高校、咲崎南工業高校より長いらしい
晴華の生徒達にチラチラみられながら、玄関を目指す
「おい、優羽.......どうしよ〜、俺たち見られてるよ〜」
ムッツリ打矢は、そわそわしはじめた。
まったく、これだからムッツリは.....
「大丈夫、だれも俺たちなんか眼中にねぇ〜よ...........ほら、俊介先輩見て見ろ」
俺は、先頭を優雅に歩くキャプテン俊介先輩を指さした。
晴華の女子は、みんな俊介先輩を見て、なにかこそこそ話しをしているみたいだ。
....文耶の様子が変だ...
「おい、文耶、お前どうしたんだ?」
「なにかね?、私は今紳士を装っているのだよ、話かけんでくれるかな?」
胸を張って、歩く文耶は、なんか紳士とはずれているような気がした。
「優羽、文耶、若干だが裏文耶化してるから気をつけろ.........もしものことがあったらまた頼む」
出発前から文耶の様子を観察していた岡見が言う。
「ああ、女子の前で脱がれたら、捕まるからな.......そういう空気がでたら、すかさず延髄ぶん殴るよ♪」
俺がそう言うと、岡見は安心した様子でグットサインを送る。
「ここで靴を履き替えて、体育館に向かう、体育館に入る前に挨拶するから、勝手に体育館に入るんじゃねぇ〜ぞ」
俊介先輩が、靴を履き替えながら言う。
俺達も靴を履き替える。
玄関の真向かいが体育館みたいだ
「整列!!」
俊介先輩の号令に従い、俺たち咲南バド部は整列する。
.......と同時に、ネットを張って準備していた晴華高校のバド部も整列を始める。
晴華高校のバド部は、総勢20数名か.....
結構多い方だな、さすが強豪校だけある
先に挨拶をしたのは、晴華の方だった。
20数名の女子部員が、俺たちの方に一礼し
「よろしくお願いします!!」
と挨拶をする
それとほぼ同時に、俊介先輩が挨拶をし、それに続いて俺たちが挨拶を交わす
「よろしくお願いします!!」
「集合!!」
俊介先輩と、晴華のキャプテンの声がシンクロした
俺は見た........集合のかけ声の前に、俊介先輩と晴華のキャプテンが目で合図しているのを....
俺たちは、各校の監督及び顧問が座る椅子の前に整列した。
先に口を開いたのは、晴華の監督さんだ。
晴華の監督は、これまた中太りの体型に髪がハゲかかったおっさんだったが、金子監督の古い友人で、全国大会出場経験もあるというおっさんらしい。
「え〜、咲崎南工業さんよくいらっしゃいました........今回は、全県新人及び県民体育大会に向けた練習試合ということで、まずは団体戦形式の練習試合をして、各校アドバイスを受けた時点で、個人戦にうつりたいと考えております。個人戦は指名形式で各自対戦相手に試合を申し込むようにしてください、私からは以上です.......金子先生からは?」
「各校手を抜かず、怪我の無いようにやってください、以上です.....................あと咲崎の生徒に言っておくが、女の子に負けたら帰りは歩きだ♪」
金子監督の発言に俺たちは沈黙したが、晴華の生徒は笑っていた。
「じゃ、準備運動だ!!」
俊介先輩の指示に従い、ストレッチを開始した。