コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Heart Break No Wing ( No.17 )
日時: 2010/12/22 16:48
名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)



_____いよいよ団体戦だ


咲南のオーダーは、
1stダブルス 佐藤&桜野組
2ndダブルス 倉町&葛西組
1stシングルス 工藤 俊介
2ndシングルス 岡見 隼人
3rdシングルス 打矢 智宏

となった。



1stダブルスと2ndダブルスがコートに入る



俺は、相手のオーダー用紙を見る


どうやら、向こうの1stダブルスは、佐伯&木村組のようだ......

佐伯&木村組は、俺たちの一つ上、俊介先輩と同じ代の2年生で、去年の新人戦ダブルス優勝経験及び総体準優勝という実績をもつダブルスだ.......しかも、佐伯、木村両方小学2年からバドをやっているらしい、かなりの経験者だ




「文耶、やつらかなりの経験者らしいが...」


俺は文耶に尋ねる

「そうみたいだな......この前の新人戦で、いくつか女子選手のプレーを見ていたが、男子選手との大きな違いがある........」



文耶のやつ、ただ鼻の下のばして女子を見ていた訳では無かったんだな.......少し安心した。



「その違いってなんだよ?」


「女子は、男子と筋肉の付き方が違う.....よってスマッシュにも限度ってもんがある.......所詮高校レベルでどんなに早いスマッシュが打てたとしても、体感速度250㎞くらいだろう、やつらは、ラリーを続けこちらの体力を減らす作戦でくると考えられる.............早く得点を決めたいからと言って、スマッシュを多様しては、たとえ俺たちのスマッシュが音速を越えるとしても簡単に返されるだろう..........今回は、まず先に相手の出方をうかがってからのラリー展開と行こう」


文耶もたまにはちゃんと考えてるんだな...


「そうだな.......じゃ、行くか!!」




ネットを挟んで握手をする



『よろしくお願いします!!』



まずは、お互いにシャトルを数回打ち合う。




...........うん、この体育館は湿度が高め...よってシャトルが少量の力でも遠くに高く飛ぶ。
今回は、少し弱めの力でラリーを展開するのが望ましいだろう




主審が試合開始の合図をする。




サーブ権は向こうにある、そしてそのサーブは俺が受ける



佐伯は、ショートサーブを選択した...

俺は、重心を低く構え、白帯から浮いたシャトルを潰す体勢に入った。
しかし、この構えには少々弱点がある......


ショートサーブから展開される、バックラインギリギリのショートロングサーブが取りにくいということ。

例え、高速バックステップを駆使して下がったとしたも、相手が打ったのを見てからでは遅い...
よって、相手の手首の動き、風の微妙な変化を予測して動かなければならない


また、そのシャトルを返したとして、返した場所によってまた試合の展開も変わってくる....


それだけ重要なこの一瞬!!!!





________相手の手首が若干動く......



風は、奥に吹き抜ける..........




ショートロング!!!!!!




俺は、読んだ.................と思ったが...



普通のショートサーブだった。




______フェイント!?



ショートサーブでフェイントを入れるということは、危険きわまりないことだ...

フェイントに失敗し、主審にフォルトを取られてしまえばお終いだ。




.........こいつ、とんでもねぇ〜やつだ...




「優羽!!!!!、繋げぇぇ!!!!!!!」


今のサーブで素早く後衛に下がった文耶が叫ぶ



とりあえず繋がなくちゃ!!!



俺は、後ろに下がりかけた体を無理矢理、体勢を前につきだし、相手コートのバックラインにあげた...



瞬間、強烈なスマッシュが俺と文耶のちょうど中間に落ちる......



俺らは、シャトルに触れることすらできなかった。




「........文耶、今の見えたか?」



「いや、見えない..........木村のスマッシュ........300を越えている............優羽.......この場面、分かるよなぁ〜」



そう、この場面...相手のスマッシュが予想外に早く、ラリー型ではない.........



夏の強化練習で習得した、桜野&佐藤組の究極陣形




『完全攻撃型フォーメーション......『極・白狼天無』!!!!!!!』