コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Heart Break No Wing ( No.18 )
- 日時: 2011/01/04 08:38
- 名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)
『完全攻撃型フォーメーション『極・白狼天無』』
相手が攻撃型ダブルスならばこちらも攻撃型に組み換えるまでだ
そう、時に攻撃が最大の防御になることもある
今度は文耶がサーブを受ける
「優羽、俺がサーブを返したら早速例の陣形に入るからな」
文耶がいい、相手がサーブを打つ
文耶はすかさずサーブをコートの奥に返した
佐伯のフェイント入りショートサーブではそれが限界だろう
すかさず木村がネット前に落としてくる...
こちらに上げさせて、スマッシュを打つ作戦なんだろうが、そうはさせねぇ!!
俺は、ネット前のシャトルを素早く手首のスナップをきかせ、相手コートのバックラインギリギリに飛ばした...
相手はその球を上げるしかない.........
決まった!
佐伯が、バックハンドでシャトルを上空へ上げる
俺たち桜野&佐藤組にシャトルを上げたら最後だ...
「文耶!!」
俺が合図するより早く文耶はシャトルの落下地点に移動を開始していた。
女子に先制点を取られたのがよっぽど悔しかったのだろう
文耶のスマッシュは音速を超える.....
そのスマッシュを経験者は普通に返してくると考えられる.....
その時、後ろからとてつもない風が吹き荒れる
どうやら文耶のスマッシュが放たれたようだ...
佐伯の手の動き......
ネット前落とし...
前衛側の俺は、佐伯がネット前に文耶の打ったスマッシュを落としてくるのを予想し、ややネット側に寄った
佐伯は予想どうりネット前に落としてきた....
遅い!!
俺は、高速ステップでネット前に移動し、浮いたシャトルを内線を使い相手コートに叩き付けた
やっとこちらに得点が入った
1ー1
経験者から一点とるのがこんなにもキツイとは.....
新人戦は、経験者がいなかったから、サーブやスマッシュで得点を稼げたけど、さすがに経験者ともなるとそうもいかないか...
これは長期戦になりそうだ....
_______30分ほど経過しただろうか...
今は第3セットファイナルゲームだ.....
得点は、佐伯&木村組 20-19 桜野&佐藤組
相手があと一点取ってしまえばこちらの負けが確定する...
こんなに追いつめられた試合は始めてだ.........
このドキドキはなんだ?
あと一点取られたら負けるからか?
経験者とはいえ、女子に負けるからか?
どれも違う...........
どうやら俺たちはバドミントンの本当の楽しさに気づいてしまったらしい
文耶の方を見ると、相方は何も言わず笑っていた
それを見て俺も自然に笑顔になった
バドって楽しい
佐伯のサーブは俺が受けた。
最初と違い、俺の体からは余計な力が抜けシャトルが正確に飛んでいる
すかさず相手がスマッシュを打ってくるが、難なく返せた。
相手の試合展開が読める
俺と文耶の息はこれまで以上にぴったり合っている
体が勝手にシャトルの球筋を読んでステップをふんでいる
.............これが無の境地か...
知らないうちに試合は終わっていた。
結局団体戦は、俺たち咲崎南工業がストレートで勝ちを納めた。
この団体戦、練習試合だったとわいえ経験者と試合ができた
みんなそれぞれ成長できたんだと思う。
「それでは、個人戦にうつりたいと思います」
晴華の監督が言う
「桜野くん、私と試合しないか?」
後ろを振り向く.....
そこにいたのは、背の高い黒髪ロングの女性....
さっき試合した佐伯さんだ
「あっ、はい...よろしくです」
なんか女の威圧的なのを感じる...
「そんなビビるなって〜、前半の団体戦長びいちゃったから個人戦は1セットだけだな」
佐伯さんは俺の肩を叩きながら言う。
見た目クールだからあんまり話さない人なのかと思ったら、そうでもないと言うことが分かった。
試合開始!!
俺と佐伯さんが握手をした瞬間、体育館のドアが開いた
「お姉ちゃ〜ん、忘れ物〜〜!!」
声の方を見る...
え?
俺は目を疑った。
その声の正体は、俺の気になるあの子のものだった...
そして、佐伯さんが気になるあの子に近づいていく....
ってことは、佐伯さんがあの子のお姉さん!?
「に、似てねぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜!!」
つい俺は心の叫びを口にしてしまった。
あの子とその姉がこちらを振り向く
俺の表情が一気に引きつるのが分かった
あの子に初めて見られた...
「お姉ちゃん、あの人は?」
「咲南の1年生、桜野優羽くんだ、なかなかバドうまいから私が練習試合を申しこんだんだ」
「あっ、じゃぁ待たせちゃ悪いね、私もう行くからお姉ちゃんも早く戻りなよ」
そういうと、気になるあの子は去って行った。
佐伯姉がこちらに戻ってくる
「ああ、悪い悪い、さっきのが似てないながら私の妹だ..........ちなみに彼氏はいない♪」
「えっ!!、マジですか!?」
「プッ、アハハハハハッ、やっぱり志乃が気になってたのか....可愛いやつだな」
笑う佐伯姉.......
気になるあの子の名前は佐伯 志乃って言うのか...
「.......笑わないでくださいよ.....俺、バドやり始めたの佐伯さんの妹さんに惚れたのがきっかけなんです......」
俺は、佐伯姉に成り行きをすべて話した。
相変わらずにやにやする佐伯姉
「桜野くん、悪い人じゃなさそうだから、この試合で私に勝ったら妹紹介してあげるよ〜♪」
俺の心で何かが熱く燃えた
改めて、試合開始!!!!!!