コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Heart Break No Wing ( No.21 )
日時: 2011/01/05 09:15
名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)



________翌日。


晴華の練習試合の翌日。


俺は仮病を使って学校を休んだ。



なにせ大好きなあの子の第一声が
「君、弱いね.....」



この一言だけで学校を休むのはどうかしているとは思うが、今の俺にとってあの言葉は一番言って欲しくない言葉だった。

今までの部活.......

キツイ練習.........

俺自身の目標に少しでも近づけるように協力してくれた仲間....

すべての感情がこみ上げてくる






俺は泣いた..............








どれだけ泣いただろう......




ふと思った



今まで、あの子に話す権利を、勇気を得るために練習した......







..........それじゃ意味がない。




自分を変えなきゃ意味がない。







俺は全県新人で変わった姿の俺をあの子、佐伯 志乃に見てもらいたい!!




もう一度チャンスを!!






俺は、外に飛び出し、全力で走り出した。








_________翌日の練習。




「お前、この間まですっげー暗かったのにいきなりどうした?」

文耶が言う。



確かに、晴華の練習試合が終わった後の俺は落ち込んでいた。

だが、もう落ち込む理由なんてない



「今のままの練習じゃ全県新人勝てないと思う。」




「はぁ〜?、俺は今の練習でも十分キツイぜ」




文耶なら俺について来てくれると思っていた.........




失望した




「ふざけんなよ!!、お前だろ、俺に限界をつくっちゃだめだって教えてくれたのは!!、俺、お前なら分かってくれると思ったのに....」




俺は体育館を出た



部室前のベンチに座る





文耶の言うことも分からなくはない......

確かに今の練習はキツイ。




でも、それ以上に俺の気持ちは強く、もっと強くなりたいと思ってやまない





「優羽〜〜、早く練習戻れよ.......お前が強くなりたいのは分かるけど、今以上の練習メニューにしたら絶対、体壊すって」



心配してくれたのか打矢が体育館から出てきた。



あとから俊介キャプテンも出てきた。




「な〜にしてんの?、そんな時間あったら練習したら?」


......俊介先輩は笑顔で言う。




「先輩、俺、全県新人までもっと強くなりたいいんです........だから...」




「ばかやろう!!!、強くなりたいだ?、練習メニュー変えろだ?........甘ったれてんじゃねぇーよ!!!!!、練習今よりキツクしたら強くなれんのかよ?..........だったらみんなそうしてる、なんで今よりキツくしないか...........それは、怪我してしまったらもとも子もないからな................中学の時の俺のダブルスのペアもそうだった、強くなりたいと思いすぎて、過度な練習を繰り返し、肺に穴を開けた『気胸』.....全日本ジュニア11に行くための大会を逃したよ........................いいか、自分だけじゃなく、ペアにまで迷惑がかかることを忘れんな」



俊介先輩がキレた



初めてみた........あんな俊介先輩





体育館に戻る.......



文耶は、すでにヘアピンの練習を開始していた。




俺も、練習の輪にまざる




..........気まずい空気だ




「文耶、さっきはごめん.......俺お前のことなにも考えてなかった」



シャトルを拾う際に文耶に近づき言う。



「........アホ」


微笑む文耶






__________負けた......また負けたぜ、文耶



この半年で、バドの技術だけでなく、気持ちの面でも上をいく文耶




そんな文耶に俺は少し嫉妬した。






______いいライバルを持てて俺は幸せだ