コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Heart Break No Wing ( No.24 )
- 日時: 2011/01/06 16:35
- 名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)
___________全県新人当日。
毎年、県南、県央、県北と順々にまわるサイクルで今回の全県新人は、去年県北開催だったので、県南地区での開催だ。
県央地区に分類される咲崎南高校バドミントン部1年は、会場まで電車を利用することになった。
2年生は、バスで向かう。
また、大会は3日間行われるので、近くの宿泊施設に泊まるらしい。
それだけあって、縦長の大きなラケットバックはパンパンに膨らんでいる.......
そしてそのラケットバックを持った集団は今、駅のホームで電車を待っていた.........
「あ〜、まだかよ電車ぁ〜〜〜〜」
緊張しているのか、イライラしているのか分からんが、しびれをきらした打矢が騒ぐ
確かに電車の予定到着時刻は過ぎている.....
「まっ、そのうち来るっしょ♪」
岡見はいつもと変わらず落ち着いている
その横で、おそらく今日の夜、宿泊先で食べるのであろうスナック菓子を待ちきれずに食らうD輔
そのまた横で、真剣に瞑そうにふける真嶋
文耶は俺の隣で音楽を聴いている
............それにしても、文耶、ノリすぎである
いったいどんな曲を聴いているんだろう?
「文耶、曲何聴いてっ!!」
と言いかけた瞬間、岡見に口を塞がれた
岡見は首を横に振っている
「やめとけ、あいつは砂嵐の音を聴いている............本人曰く、砂嵐の音声の中に自分のリズムを生み出したらしい」
相変わらず文耶は変わった趣味の持ち主だとつくづく思った...
「あ〜、まだかよ電車ぁ〜〜〜〜〜」
ブチ切れ寸前の打矢の声に気づく
さすがに遅い.....
電車の予定発車時刻からもう30分が過ぎている......
____ピンポンパンポン
駅のアナウンスがはいる
「7時35分発、下り普通列車、白縫行きですが、途中、下浜田駅にて信号のトラブルがあったため停車しております、トラブルが解消しだい運転を再開します。お急ぎのところ申し訳ありません.......もうしばらくお待ちください」
「んだとゴルァァァァアアア〜〜〜〜!!!!」
......打矢がキレた
幸い駅のホームに、他校のバド部はいない
もしいたとしたら、咲南のイメージががた落ちだ.......
「まぁまぁ、下浜田だったらこの駅からそう離れてないからもうすぐ来るって」
瞑想していた真嶋が打矢をなだめる
「なぁ、優羽、俺のペアあんなんだけど、正直ダブルス取れる気しねぇ〜」
打矢とペアの岡見が言う
「まぁ、確かにやつは緊張というものを怒りに変換しているな..........ま、まぁ、そこを上手く生かせばなんとかなるんじゃないか?」
自分なりのフォローはしたはずだ....
「大変お待たせしました、まもなく下り普通列車 白縫行きが到着します、足下黄色い線までお下がりください」
アナウンスが流れる。
........そして、電車がきた瞬間、急に静かになる打矢
俺達は、電車に乗り込む...............
車内満席。
車内は会場に向かうバド部員でぎっしり埋め尽くされていた。
「まじかよ〜」
先に声を上げたのはホームでは一言もしゃべらなかった武田だ
俺たち7人は、電車2両目の入り口すぐの隅っこで固まった
周りの視線を感じる.....
そう、我ら咲崎南工業高校は新人戦、すべての表彰台を埋めた強豪校................って
なんか違う視線のような気がする.......
咲南の糞1年、地区新人でちょっと勝ったからって調子のんなや!!
って目つきだ....
別に調子のってるわけじゃないのに罪悪感を感じる.......
「あれ?、優羽くん♪!!」
声がする方を見ると、人ゴミをかき分け、背の小さな少女がこちらに向かって来た
ん?どっかで見たこと......
思い出した
地区新人の時、一番最初にアド交換申し込まれた人物
.........名前は分からない
でもこの前、晴華の練習試合に行った時も会った
.......晴華
ってことは、同じ車両に晴華女子高等学校バド部が乗ってるってことか!?
瞬間、俺の脳裏にあの場面がフラッシュバックした..........
____________「君、弱いね........」
「......くん、優羽くん」
........はっ!!
我に返ると、少女が俺を呼んでいた
「あっ、ゴメン、えっと......」
「こっちこそごめん、私は鈴代 奈々.......つい見かけたから来ちゃった」
そう言えばこの子とアド交換したけど、一度もメールは来なかった
沢代南高校の美里とかいうやつからは、しょっちゅう来てたけど.....
なにかこの子と会話しないと.....
俺は必死に話題を探した
「好きなんでしょ?、佐伯先輩の妹」
俺は、耳を疑った
何を言い出すんだこの子は!?
「えっ........何言ってるの?」
「だから、好きなんじゃないの?、佐伯 志乃のこと........」
なんだこいつ..........俺が一番気にしてることを公衆の場でのこのこいいやがって
「はぁ?、好きだったらなんなんだよ!!!、そんなこと、今言うことじゃねぇ〜だろ!!!、第一お前に関係ねぇ〜だろ!!!」
はっ...........感情のあまり強く言いすぎてしまった...
泣き出す鈴代........
「私負けないから!!!」
その一言をいい、その場から走り去った
周りの冷たい視線
「あの子、お前のこと好きだったんじゃねぇ〜のか?」
文耶が言う
「俺もそう思う........」
そして、電車は大会会場近くの駅に停車した