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Re: Heart Break No Wing ( No.26 )
日時: 2011/01/07 14:33
名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)


___全県新人男子団体2回戦『咲崎南工業高校 VS 明城高校』


咲崎南工業高校 団体オーダー
1st ダブルス
桜野&佐藤組
2nd ダブルス
岡見&打矢組
1st シングル
真嶋 浩輝
2nd シングル
武田 祥
3rd シングル
山内 大輔


明城高校 団体オーダー
1st ダブルス
佐久間&鳴瀬組
2nd ダブルス
八代&木内組
1st シングル
吉田 健吾
2nd シングル
菊池 悟
3rd シングル
小玉 小太郎




いよいよ初戦が始まる.............


明城VS寺地の試合が行われている間、俺たちは試合前最後のアップをしていたので、対戦相手の試合を見ることは出来なかった.......





........緊張する





「男子団体戦2回戦をコールします............咲崎南工業高校、明城高校、第2、第3コートに整列してください」


アナウンスが流れる



俺たちは、体育館の扉の前で円陣を組む.........




「みんな.............緊張してるか?」

俺は、みんなに答う



「ああ、バリバリ緊張してるぜ」

最初に答えたのは、文耶だった


「俺たちもだ........正直言って、若干ビビってる.....」

岡見がいい、打矢たちも頷く




「..........緊張するのは当たり前だ...........よく、適度の緊張感がいいとか言われてる.......だけど、もう俺たちには緊張と言う文字はいらねぇ〜.............だよな、みんな」




みんなの表情がヒクヒク動き出した


『アハハハハハハハ!!!!』


一同爆笑



「だよな、俺らなに緊張してたんだ?、プッハハハハ」


笑いすぎてでた涙を拭いながら言う




「じゃ..........絶対優勝!!!!」





「おーーーー!!!!!!!!」


俺のかけ声に合わせてみんな合図する





俺たちは体育館の扉を開けた......



凄い熱気だ........




第二コートステージ側に整列する



「お願いします!!!」

各校挨拶をし、コート中央に走り寄り握手を交わす




金子監督は大会の重役らしくこっちまで来れないらしい.....




「優羽、行こうぜ」

文耶が言う



「ああ」



俺たちはコートに入る



観客の注目を浴びる.........

なにせ中央地区新人優勝校、どういう試合展開をするのか目に納めておきたいのだろう..........




.........ん?、気のせいだろうか......

文耶の息が若干荒いような気がする




対戦相手は佐久間&鳴瀬組......

片方の佐久間ってやつは、経験者(ジュニア)らしい.......



お互いにシャトルを打ち合う.....


この体育館は、気温24℃湿度75%といったところだ.......


シャトルは4番か............



かなり飛ぶな......



隣の文耶も同じことを思っているのだろう




主審の試合開始の合図がだされた



サーブ権はこっちにある


俺はショートサーブを選択し、いつも通りネットの白帯ギリギリをかすめ、センターラインギリギリに落とすサーブを放った



相手は、上げてくる



.........これは予想していたこと


俺のショートサーブは、百発百中の超低空サーブ


上げるかアタックロブかの2択しか相手に選択肢を与えない




上がったシャトルをすかさず文耶がとらえる.......




前にも言ったが、文耶のスマッシュは音速を超える.......


このスマッシュがストレートで決まる確率70%、残りの30%の返球玉に対応するため俺は、ネット前で待ちかまえる....




______カツンッ




俺の後方から、聞き慣れない音が鳴った....





______文耶のスマッシュミス。



絶好のポイントに上がったシャトルを文耶は、ラケットのフレームに当ててしまったのだ........



...........天性のバドミントンセンスを持つ文耶が



...........俺の絶対勝てなかった相手、文耶が




初心者でもだすのが難しいミスをした...........




「文耶、大丈夫か?」

俺は文耶に尋ねる



「ああ、わりぃ〜、ちょっと天井の照明まぶしくてさ〜、優羽も気をつけろよ」


文耶は笑いながら言う





俺には、その笑みが作り笑いにしか見えなかった........



「そ、そうか...........なんか息荒いけど、本当に大丈夫なのか?」


心配のあまりもう一度尋ねる


「楽しくて興奮してるだけだよ、さっ、次々♪」




俺たちはラリーを重ねる



なんとか1セット先取した



.........今回の相手、明城高校は俺たち咲崎南工と同じ中央地区に分類されている


地区新人では、表彰台にすら上がれなかった高校が、この数ヶ月で格段に強くなっている........


地区新人では、スマッシュ一本打てば決まった球も、なんなく返される............



よってラリーが長引く


焦りや疲れが、早く決めたいという気持ちを表にださせミスを誘う.....



今回の文耶がそうだ......



チェンジコートで、2分の休憩に入る


「文耶、お前焦ってないか?.........そりゃ相手が少し強くなってるのは分かる、だけど焦っていいことないぞ...............それに今のセット、ほとんど文耶のミスで点数を奪われてる」


タオルで額の汗を拭きながら、スポーツドリンクを飲んでいる文耶に言う


「.............すまない」



文耶は呟く........



「ん?、なって言った?」

ハッキリと聞こえなかったので、もう一度問う



「少し遊んだだけだって言ったんだよ、耳遠くなったのか?」



文耶はそう言いい、コートに戻る