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Re: Heart Break No Wing ( No.27 )
日時: 2011/01/11 14:31
名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)


第二セットも文耶のミスが連発し、危うく1セット取られそうになったが、何とか巻き返した。
他にも岡見たちのダブルスと真嶋のシングルスが勝ったので、3回戦進出となった

________『男子団体準決勝 咲崎南工業高校 VS 黒新商業高校』


この時点でベスト4............

この試合で勝てば、団体戦準優勝確定............



相手の黒新商業は、2年前の総体でドーピングがばれ、大会出場停止1年をくらった高校らしい........



練習メニューが尋常じゃないらしく、身長175㎝以下体重50㎏以下は入部できないらしい..............

確かに黒新の連中はみんな体格がいい




「なぁ、優羽........あいつらバドやる体じゃねぇ〜だろ、どう見てもレスリングだろあれ...」

岡見が指摘する


「見ろよ.......あいつらラケットの持ち方なってねぇー」

D輔が言う


素振りする奴らを見てみると、ラケットのグリップは、フォアハンドかバックハンドで持つのにもかかわらず、ただ単に力任せに握り潰しているだけだ..........



あんな筋肉の固まりに、繊細な動きなんかあったものか....


そんなことを考えていたら、主審が試合開始の合図をする



「各校整列!!」


俺たちはコートのバックラインに整列する

相手も、対角のコートのバックラインに整列し、ネットを挟み挨拶をする



「よろしくお願いします」



「......イッッッツ!!!!」

握手をした瞬間、とてつもない握力で握られた

指の付け根の骨が食い込んで痛い.....



岡見たちも表情を歪めている




..........これ、反則だろ......



これじゃ、さっきまでラケットを握っていた手の感覚が失われ、試合に影響する.........


しかもこの尋常じゃない力の入れ方.....


.........手の骨がきしむ



...........痛い、離そうとしても離してくれない



これじゃあ、ラケットすら握れなくなる......






「おい、君たちなにをしている?」

さすがに、長時間の握手に異変を感じたのか主審が言う




黒新の奴らは、ニヤっと笑いながら手を離す......



「おい!!............そこのクズ共、うちの連中を汚すんじゃね〜.....生憎、またドーピング疑惑が浮上したんでな.......黒新商業高校は、途中棄権扱いだ」


現れたのは、今大会で一度も姿を見せなかった金子監督だ





黒新の奴らは、バドミントン連盟のおじさん達に連れて行かれる.....




あとからニュースになったが、黒新商業バド部監督が解雇、及び刑務所行きになった........






会場がざわつく......




俺らは、黒新とあたって負けた高校と試合することになった.....




春日富士高校..........



この高校には元々バド部が無かった......


今年に新入生からの強い要望があって設立したみたいだ

故に部員は全員1年、それに見るからに部員が少ない....

団体戦が出来るギリギリの人数、5人しかいない..........



でも、よく全県新人まで駒を進めたものだ......

きっとなにか一つずば抜けた何かがあるんだろう...



______『男子団体準決勝、咲崎南工業高校 VS 春日富士高校』




各校ネットをはさんで握手をする



.......さっきの一件で、まだ手の感覚がない



そう言えば、春日富士の奴らは黒新とあたった際に手を強く握られなかったのだろうか?....


感覚の無い手で握手をし、自分チームのベンチに向かう



「お前ら手は大丈夫か?.....なんなら、感覚が戻るまで特別に時間を貰うが」

金子監督が言う


なんだか今日の監督は機嫌が悪いみたいだ......



俺はみんなと相談することにした


「俺はさっきの黒新の件で手の感覚がまだ戻ってこない...........みんなはどうだ?」



「俺もやられた...........多分みんなそうだぜ」

真嶋が言う



「黒新のやろー...........今度あったらぶっ殺す!!」

打矢が言う


「第一、あんな筋肉の固まりに勝てんのかよ打矢?」

文耶が言う


「...........ムリだな....」


打矢は、前言を撤回したみたいだ.....





この状況、俺たち咲南は手を強く握られ負傷している........

春日富士も、いきなり試合に出されてろくにアップもしていないだろう.......



両校を思えば、今は少し時間を貰うべきだと結論がついた



「監督、時間もらえますか?」



「ああ、じゃ両校に15分間の時間をあたえる.............じゃ俺は、上層部に伝えてくるから、しっかりやれよ!!」


そう言うと金子監督は、主審に何か言って体育館を去っていった



「両校集合!!」

瞬間、主審が集合の合図をかける


俺たちは、ネット中央に集まる


「え〜、先ほどの一件があり、各校準備時間が十分とれてはいないということで、ただいまより15分間の時間を与える、各校有意義に使うように..........では解散!!」