コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Heart Break No Wing ( No.30 )
- 日時: 2011/01/12 15:27
- 名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)
男子団体決勝.................
決勝であたる対戦相手は分かっていた...........
地区新人の前から................
決勝の相手、それは
__________朱雀学院高等学校。
県北地区に分類する朱雀学院は、バド部員が総勢45人........
軽く学級一クラスを上回る人数だ......
それに、バド大国インドネシアからの留学生が3人も入っている有様だ。
成績は聞くまでもない。
インターハイ全種目優勝。
国体ダブルス 優勝 月島&霧谷ペア
国体シングルス 優勝 東雲 明
世界インターナショナル選手権 ダブルスベスト4 バクバル&スンヌ ペア
世界インターナショナル選手権 シングルス3位 タウチ・ナギヤット
...........その他にも沢山の成績をの残している
去年の全県新人もその前も、ずっとずっと........
第2回大会から朱雀学院は優勝し続けている......
今年優勝すれば58連覇
ありえない数字だ.......
元々、朱雀学院はバドの強豪校で日本全国から強い選手のみを選りすぐって引き抜いて作った部活だ
選手一人にはらう月々の契約料も半端ないらしい
バドミントン連盟も、金を前には口出しも出来ない......
朱雀の連中は、金で釣られてバドして楽しいのだろうか?
__________自分の強さ、とてつもない努力で身につけた技術を金で買うなんてバカげてると思う。
今回の団体戦も朱雀学院はどの高校からも応援はされない
なぜなら、みんな朱雀を恨んでるから....
朱雀の試合の時は、みんな朱雀の相手の高校を応援する
朱雀の連覇を塗り替えろ!!って気持ちで
俺たちは、今日始めて朱雀学院の試合を見た
名前だけは知っていたが、実物を見るのは始めてだ
団体戦、朱雀学院は相手を下に見なし、股の下でシャトルを返すなどして遊んでいた.......
確かに、技術、体力は桁違いだ.........
でも、どんなに弱い高校だって、0.0001%でもある勝つ可能性を信じて、最後の最後まであきらめずに一生懸命プレーしてるんだ!!
そんな輝かしい高校を遊び半分でプレーするなんて.........
____相手がなんだろうと関係ない、遊ばれるなら、こっちが本気にさせるまでだ!!!!!
『行くぞみんな!!!!』
本日最後の試合。
体育館には、俺たち咲南と朱雀しかいない
整列し、ネットを挟んで握手を交わす........
『お願いします!!』
挨拶をしたのは俺たちだけ、すでに下に見られてるってことか.....
挨拶をした瞬間、2階観客席からそれはデカイ歓声があがる
会場全体ピンクの布に咲崎南工業高校の文字
俺たちに負けた学校、朱雀に負けた学校、もう試合の終わった女子までもが立ち上がり、応援している........
自分の目が熱くなるのが分かった.........
「すっ、すげ〜.......」
みんな感動している
手が震える.......
今までは、咲南のため、自分のため、チームのために試合をしていた
だけど、今回は
_________集まったすべての高校、朱雀学院に負けた歴代のすべての高校のために試合をするんだ!!
凄いプレッシャーだ、試合する前に押しつぶされてしまいそうだ....
『しっかりしろ〜〜〜!!!!!!!』
二階席の真正面から、俺の耳に声が届いた
声の主は.............
声を目で追う
________佐伯姉
_______________ドッックン!!!
俺の心臓が大きく脈を打った
______『君、弱いね.....』
______『君、弱いね.....』
____『君、弱.....』
俺の心の中で、大好きな人に言われた最初の言葉が響く
俺、あの時から何も変わってないじゃないか........
なにビビってんだよ俺...............
_____俺は弱い......
中学時代最後の大会で、監督に言われたときもこの言葉だった
「え〜、三年生は最後の大会になるので全員出してやろうと思う、では、大会メンバーを発表する..........鈴木、熊谷、加藤..............以上だ」
「監督、俺の名前がないんですけど.......」
「ん〜〜〜、桜野、お前は弱いからムリだ」
________俺は弱い.........
『ウォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
俺は、叫んだ
今の俺を変えたい!!
「文耶、行くぞ!!!!」
主審が試合開始の合図をする
「ファーストゲーム・ラボールプレー!!」