コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Heart Break No Wing ( No.40 )
日時: 2011/02/16 11:28
名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)


________新たな出発の日となった志乃との初デートから3ヶ月が経った....

年が変わり季節は真冬の2月上旬


相変わらず俺の朝は早い

朝4時50分に起きた俺は、早朝の痺れるような寒さに耐えながら、登校の準備をする

ラケットバックに、着替え、飲み物、タオル、シューズ、ラケットなどもろもろを詰め込み、家を出る......


この時期になると、強烈な吹雪で電車が運転見合わせとか、運休になって学校が休める日も少なくはない.......が、今日は特に天気がいい


さすがに、雪道で自転車に乗るのは危険なので、この時期は走って駅を目指す...
自転車で、15分ほどの地点にある駅だが、部活で嫌というほど走らされているので苦ではない.......というと嘘になる

さすがに、寝起きの低血圧な状態でいきなり極寒の外に出て走るのは、精神的にやられる......



そして、駅に着く....まだ真っ暗な駅に、一筋の光が差し込む


始発が来た!!


俺は、その電車に乗り込み6ッ目で志乃と合流する


ほんの数ヶ月前までは、目も合わせられず、向かい側の離れた席に座っていた俺も今では、志乃と隣同士で座っている......


冷えていた体も次第に温まってくる......
どんなに寒い朝でも、俺はこの時の為にひたすら走る


そして、同じ駅で降りて駅でいったん別れの挨拶をし、俺は一人、咲崎南工業高校を目指す.........もちろん走りで



もうすっかり辺りは明るい。

日も昇ってきて少し暖かくなってきた



高校に着くと、自分の席で朝食をとる

すると、いつもとほぼ同じ時間に打矢が教室のドアを開ける


しばらく、打矢と昨日の宿題やらなにやらの写し合いをした後、俺たち2人は、第二体育館を目指す。




そう、もう最後の大会が近い2年生はそこで朝練をしているからだ...


「おはよ〜す」

俺たちは、扉を開け挨拶をする

体育館には、ネットが3面張られていて、いつも早く登校している2年生の主力メンバーがすでにダブルスのショートサーブの練習をしていた。


「あっ、おはよう、相変わらず早いね〜」

キャプテンの俊介先輩が挨拶を返す


俺たちは、一番奥のコートでの朝練を許されている......

そもそも、朝練は、団体戦の主力メンバーと俺たち一年しか今は許されていない...
その他の2年生の先輩方のことを思うと、遅れて行くなんてあり得ない話だ


ちなみに、現時点での団体主力メンバーは、
俊介先輩
倉町先輩
葛西先輩
健実先輩
裕太先輩
翔稀先輩の6人だ...


先輩方の部活最後の大会にかける想いは、相当なものだと、そのサーブを打つ時の表情から伺える......



____ガチャッ

扉が開き、岡見たち他の1年が入って来た

「おはよー」


「おはよー」


朝の挨拶以外無言。


基本朝練はサーブ練習のみ、サーブ練習時はより研ぎ澄まされた集中できる空間を作らなければならない、よって余計な私語は慎むのだ...




予鈴が鳴る......

時刻は午前8時15分、予鈴が鳴った瞬間先輩達は集中の空間から解放されたかのように俺たちともコミュニケーションを取ってくる
俺は、朝、このときが一番楽しい

制服に着替え、ネットをゆるませ第二体育館を後に、教室を目指す



そして、いつも通りの授業がはじまる..........





________放課後。

2年生は学年集会で遅れるため、俺たち1年は、みんな揃って第二体育館に入る



扉を開けた先には、







_______ラケット片手に、素振りをする文耶の姿があった