コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Heart Break No Wing ( No.42 )
- 日時: 2011/02/18 16:56
- 名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)
文耶がマネージャーになって、咲南バド部が再始動したあの日から、約2ヶ月が経ち、いよいよ新入生が入部してきた_______
集まったのは、25人......その中でジュニア(経験者)が2人。
っと言うのは、昨日の話で、今日この場にいるのはたったの6人...
昨日、あの地獄の25㎞の外周に地獄の筋トレをやらされたのだ...
俺たちが入部したときとまったく同じメニュー。
俺たちのあの時は、文耶の過去を知って、文耶が裏文耶かしたっけかww
そんなことを考えながら、俺たち二年と新入部員は、夕日の沈みかけた駅前を爆走したんだ....
______第二体育館
「残った一年は、これから一週間、昨日と全く同じメニューをしてもらう!!、分かったな」
金子監督が言う
「はい!!」
一年一同挨拶し、外に出ていった
「さて、その間二年と三年はトーナメント形式の試合をしてもらう........でもただのトーナメント試合だと思うなよ........この試合で、総体の団体メンバーを決める!!、いいか、先輩後輩関係無いからな!!!」
金子監督が言う
もし俺達二年が先輩に勝ってしまったら、先輩たちは最後の総体に出場出来ないで、この三年間のバド生活を終えることになる.....
俺たちは空気を読んで、おとなしく棄権をすべきなのではないか?...
「二年生、もしも先輩に気を遣って手を抜いてやっているやつがいたら、お前らの個人戦の枠、1年生に譲るからな.......いいな、よし、対戦表はこうだ!!」
金子監督が、体育館の壁に模造紙を貼り付けた
俺の対戦相手.......武田 蓮
誰だこの人?....
それに俺だけトーナメントから外れている.....
「監督、あの.....俺はトーナメントに入ってないんですか?」
「ああ、俺が見たところ今のお前はほぼ100%三年生を倒せる。それじゃ面白くないから武田兄を呼んだ........もしもお前が武田兄を倒したなら、団体メンバーに入れてやる、それで文句ないだろ」
武田兄....?
武田の実の兄さん?
「そんな....俺が三年生をほぼ100%倒せるなんて....そんなことなありえないです!!!」
「いいや、お前は倒せる.....なんたって俺の元パートナーだからな」
監督の隣に座る文耶が言う
______俺、文耶の為にも頑張るって決めたんだ...
_________文耶をがっかりさせちゃいけない!!!
俺は、決心した
「先輩方には申し訳ないですけど...........俺、絶対勝ちます!!!!!」
俺は、みんなの前で宣言した
「優羽、いくらお前でもムリだ.......家の兄さんは、インカレ優勝者.....もうプロのリーグからもオファーが決まっている」
武田が言う....
インカレってことは、大学生....
「ど〜も〜」
その時、第二体育館の扉が開いて、背の高い大学生が入って来た
「ああ、待ってたよ、すまないね忙しいところ」
金子監督が出迎える
「いえ、できの悪い弟がお世話になっているので、たまには顔を見せないと」
......確かに、武田は素振りくらいしかまともに出来ないが
俺たち部員は全員、武田兄の前に整列して、挨拶する
「それじゃあ、始めようか」
俺と、武田兄は、真ん中のコートに入る
「まずは、軽く体を慣らそう、基礎打ち、クリアからできる?」
コートを挟んで武田兄に言われる
「はい」
俺は返事をする
その瞬間、武田兄の元からシャトルが上がった
俺は、金子監督から貰ったレアなラケット(FD)を構え、スイートスポットにヒッティングさせ相手コートのバックラインに高く上げ返す
すると、武田兄は、完璧とも言える素晴らしいフォームで、シャトルを打ち返してくる
武田兄が、シャトルを打つ瞬間に爆発音が体育館中に響きわたり、隣で練習している卓球部のやつらも、振り返る....
凄い....
基礎打ちしているだけなのにこのスピード、迫力...
この人ただもんじゃない....
「よし、じゃあ次スマッシュね、最初俺が上げるから桜野くん打って....あ〜、分かってると思うけど6割くらいの力で打ってね」
武田兄が言う
基礎打ちの時は、試合時の肩の負担を考え6割の力で打つ....
そんなことはバドの世界の常識だ。
この人、俺を相当下に見てる...
でも俺は、真正面からぶち当たるまでだ!!
武田兄の上げたシャトルの落下地点を瞬時に予測し、高速バックステップを使ってバックラインギリギリまで下がった
ただ、シャトルを上げているだけなのに、バックラインギリギリのクリア......
こんな球試合で連発されたらたまったもんじゃないぞ...
そして、ラケットのスイートスポットにヒットするタイミングで、体の捻りを元に戻し、その勢いでシャトルを解き放った
力は6割、でも俺の打ったシャトルは体育館の風を切りながら凄まじいスピードで、武田兄の元へ急降下していく
そのシャトルを難なく返してくる武田兄...
そして、またシャトルはバックラインギリギリの超難関ポイント目がけて飛んでくる
..........あいつのコントロールは、並じゃない