コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Heart Break No Wing 第2章突入!! ( No.45 )
- 日時: 2011/03/04 09:39
- 名前: 皐月 凪 (ID: VozPDcE.)
________勝った...
攻めのバド......
試合は、まるで全てのチャンス球が俺に向かってくるようだった
俺は、『理屈のバド』から『攻めのバド』に変わることができたんだ
「優羽、お前、前とは比べものにならないくらい強くなってるよ!!......どうしたんだ?」
試合を終え、握手をする際に岡見が尋ねる
「気持ちの問題だよ、俺はいままで理屈でしかバドを考えていなかった......でも、あの時監督から言われた言葉が頭をよぎったんだ『攻めのバド』をしろって......」
「やればできるじゃないか......俺は、そのバドが見たかったんだ」
試合を観戦していた金子監督が言う
「優羽、お前......強くなったな」
打矢、真嶋、D輔、武田に囲まれている文耶が言う
____パチパチパチパチ
それに続いて、1年生と3年生が拍手を送ってくれる....
______俺は、本当に仲間に恵まれて....幸せだ
______駅。
部活が終わり、帰りの電車を待っていた俺の元にいつものように志乃が駆け寄ってきた
「優羽〜〜〜〜、やっと会えた〜、昨日もおとといも帰り遅くて会えなかったし...」
そう、ここ最近、新入生の世話とかで帰りが遅くなることが多く、始発ぐらいしか志乃と会う機会がなかった
でも今はこうして会えている
「ごめん、後輩の面倒みてて長引くんだよ〜」
「....なんか今日の優羽、いつもと違う、なんかいいことでもあったの?」
俺の顔を下からのぞき込んでくる志乃
毎回不思議に思うが、志乃の予想は必ず当たっている...
志乃には、予知能力的な何かが備わっているのだろうか?
「ちょっとね、バドで自身が持てたっていうか」
「ふぅ〜ん、最近連絡無いから私以外の女の子と遊んでるのかと思ってた」
そう言えば、志乃とのメールのやりとりも週に多くて2〜3回と付き合っている彼氏彼女にとっては、少なすぎる回数だった...
疑われてもしょうがない...
「悪かったよ.....でも、俺は志乃しか思ってないから」
________ドンッ
俺の背中に衝撃が走る
「よう、桜野、元気か?」
振り向くと、佐伯姉だった
「お姉ちゃん!!、今日は早く帰ったんじゃないの〜」
「私は邪魔だったかな?」
笑顔の佐伯姉...
そう言えば、佐伯姉とは、あの晴華の練習試合の日から会っていない...
「お久しぶりです.......え〜と、その〜」
「2人付き合ってんだろ、志乃から聞いてる........なっ、バドで想い伝わっただろ♪、んじゃ私は友達と喫茶店で少し話ししてから帰るから、1っ本次の電車で帰るわ、んじゃ」
そう言うと佐伯姉は、駅前の街へと消えていった
「そう言えば、優羽、あの時以来お姉ちゃんと会ってないんだっけ....」
あの時.....
志乃に「君弱いね....」って言われて相当落ち込んだあの時。
「うん、でもあの人のおかげで、今志乃と付き合ってるところもあるかもしれない」
そして、俺たちは電車に乗り込む......
「お姉ちゃん、彼氏に振られたんだ....」
電車の席についた瞬間、志乃が言い出す
「でも、さっきはそう言う感じじゃなかったけど」
「家でのお姉ちゃんは、相当落ち込んでて、部屋にこもりっぱなしなんだ...........優羽、今日家に泊まりなよ♪、きっとお姉ちゃんもビックリするって!!」
志乃の発言に俺は、空いた口が塞がらなかった
「な、何言ってんだよ!!、そんな急に彼女が彼氏家に連れ込んだらご両親ビックリする...いや、門前払いだろ!!」
「冗談に決まってんじゃん.....プッ、アハハハハ」
笑い涙を拭いながら笑う、志乃
それを聞いて内心ホッとした....
「おいおい、さすがにその冗談はキツイぜ」
「でも、お姉ちゃんが振られたのは本当だから、今度会ったら少しは気を遣ってやってね」
「いい妹を持って、姉さんも幸せだと思うよ」