コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Heart Break No Wing 6話 ( No.8 )
日時: 2010/10/22 14:06
名前: 皐月凪 (ID: VozPDcE.)

_____入部2日目。

「おうおう、来たかぁ〜ゲスども...まぁ、今頃筋肉痛で、痛い痛いしてるんだろ〜...いいザマだな」
...第二体育館に入るなり、毒舌の裕太先輩が言う。

「裕太〜、その言い方はないだろ〜...あれ?一年生これだけ?」
...俊介先輩がフォローしてくれた。
やっぱいい先輩だ〜

...一年は、自分も含めて、7人しかいない...

...まさかな...


...........俺たちは、部室から荷物を運び、ネットを張り、準備を済ませたところで、キャプテンの集合の合図で整列し監督を待った。

...2分ほどすると、監督が来た。
ん?顧問は来ないのか...

監督は、なにやら紙の束を持ってきていた。

「うん、予想どうり」
...監督の最初の一言はこれだった。

「今この場にいる一年以外全員辞めた...」
...監督は紙を広げる。
それは、退部届けだった。

「...俺は、本当の教師じゃないから言うが、あの辞めた一年子...間違いなく高校生活つまんねぇ〜.....なんでお前らは辞めなかった...理由を聞こう...真嶋」

「俺は、自分で決めたことは最後までやりきろうと思って...」

「武田は..」

「僕は、中学のときからバドミントンやってましたし、単純にバドが好きだから..」

「大輔は..」

「僕は、なんとなく高校で部活やって見たかったんで...それに、俺以外とMなんです..だからキツイ練習大歓迎です♪」

「文耶は..」

「中学時代はサッカー部でレギュラーだったが、俺にはしっくりこなかった...とりあえずバド楽しそうだし...」

「打矢は..」

「中学時代、バスケ部の補欠だったんです...どんなに頑張っても、人の何十倍努力しても、ダメだったんです。 でも、バド部の先輩方のプレー見てたら..なんだか勇気持てて、頑張ってみようと思いました」

「岡見は..」

「俺もサッカー部...文耶と同じ中学校のサッカー部でした。でもあんまり部活行ってなくて...後悔してます...高校でやり直せるならやり直したい」

「優羽は..」

「表向きは、中学時代バレーボール部での屈辱をはらそう、高校から始めるスポーツでバドなら自分にも出来そう、上をねらえそう.....こういう思いでした。...でも昨日の練習のあと、家で改めて考えてみたんです。...なんでこんなキツい練習をしてるのか、俺は何のために部活に入ったのか..........朝起きて気づいたんです。___俺には、好きな子がいます...でもその子に話しかける勇気が自分にはありません。......情けないけど、どうしても今の自分じゃその子に近づく権利が無いんです.......だから決めました!!、その子に近づく権利を得るためにバド部で自分を大きく成長させます!!!」

....辺り沈黙。

「うん、みんな個々に目標があるようだな...個々の目標も大事だが、グループの目標も大事だ。.....お前達一年生の一番の大舞台は、夏の新人戦だ!!...どうだ、一年生、この大会にかけてみないか?..」

......新人戦..これは、自分にとってのチャンスだ!!

「俺は...新人戦にかけます!!!」
...俺は、先頭をきって言う。

「お、俺も!!」

「俺もかけてみたい!!」

...あとに続いてみんなが言う。


「そうか...かけてみるか....ちなみに、かけてみると言わなくても無理矢理やらせていたけどな、アハハハハハッ」
...じゃ、聞くなよ!!

「でもな...どうせでるなら、一年で表彰台埋めろ...ちなみに、去年、二年前とウチ、咲崎南工業が新人戦制覇している...今年お前達の代が優勝すれば、3連覇だ...咲南の名に泥を塗ってくれるなよ......分かったらとっとと昨日のメニューやれ!!!!」

「はい!!!」
...俺たち一年は、急いで第二体育館を出、外靴に履き替え外に出た。

...そこで、これから苦楽をともにする仲間たちとまだ話していなかったので、話しかけてみることにした。

「み、みんな色んな目標があってこの部活に来たんだね...俺、みんなと新人戦勝ちたいと思ってる....改めて言うけど、桜野 優羽、よろしく」

...それに答えたのは、文耶だった。

「知ってるよ...みんなの前でいきなり恋愛相談だもん...みんな嫌でも覚えるよ...フフ」
...ん?、なんか少し、イラっとしたぞ

「まぁ、文耶の言ってることも確かだな...俺も改めてだけど、岡見...よろしく」

「あとは、武田と大輔と打矢と真嶋か」

「でも、武田ってバドミントンの経験者なんだろ...俺らまだバドのルールも知らないからさ、教えてよ」
...岡見が言う。

「まぁ、走りながらでいいなら...ってかD輔にはもう教えたんだけどな」

「ちょ、待って、D輔って誰?」
...岡見が訪ねる。

「ん?そのにいる貧弱な体の持ち主」
武田は、真嶋の隣にいる大輔を指さす。

「俺、武田と中学同じでさ、ずっとD輔って呼ばれてたんだ...だからみんなもD輔って呼んでいいよ」

「D輔...いいな♪」

最初にそう言ったのは、真嶋だった。

「さっそろそろ走ろ〜ぜ...武田からルール聞きて〜し」
...岡見が言う。

「そうだな、いっちょやるかぁ〜」

...俺たちは、武田を囲んで走りだした。