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Re:    Monochrome Wing ( No.50 )
日時: 2010/11/12 16:05
名前: 美純 ◆dWCUS.kIT. (ID: kQLROmjL)
参照: 握りしめた手をひらいても、刹那の幻だった。

▼011 ※大幅に修正します。星也sideを無しにします。



 私なんか消えちゃえばいい。
 遠のく意識で、そう強く思った。思った自分が、酷く悲しかった。まだ何もできてないのに。
 そうだ。何もできてないじゃない。告白もできてないし、大した恋の応援だってできてない。
 何もかも中途半端。ねえ白羽、星也がいる間にしかできないことがあるんじゃないの?
 今のままでいいの?

 答えが見つからないまま、強い光にそっと戻って行った。


 「——白羽っ起きた?」
 目をゆっくり開くと、白い天井と心配そうに私を覗く星也。顔が近かったから、思わず顔を背けた。顔が熱い。
 「こ、ここは……?」
 「俺の部屋。白羽、登校途中に倒れるもんだからマジで心臓止まるかと思った」
 眉を下げて、涙目の彼を見てると本気でそう思ってくれてるんだって、ただ純粋に嬉しかった。
 「星也、ケホッ……あの、ね」
 「喋んな、熱あんだから。それに、昨日の事だろ?」
 こくりと頷くと、苦笑いして頭をポンと叩いた。喉が痛かったけど、これは伝えなくっちゃいけない。
 「ケホッ、ごめん、ね。私星也と、離れるのが嫌で、あんなこと、言って」
 星也は、止めることもせず黙って聞いていた。
 「星也は、頼りなくなんか、ないんだよ。だけど、私に頼って欲しかったの。ちょっとでも、悩みを共有、したくて、それで」
 「もういいから、喋んな」
 なおも喋ろうとする私を抱きしめて止めた。途端に、心拍数が上がった。
 「俺な、白羽に頼りっきりだって気づいたんだよ。自分は北原に告りもせずに、白羽に協力頼んだり。だから、
自分の力で今度はやってみたいんだよ」

 本当。

 星也は、変わったね。


 何も話せなくて、ただただ涙が流れた。
 もう子供じゃない、大人になった星也がそこにあったから。
 

 私にはもう、引き留める術がないんだよ。



 ( あなたの強い思いに身をも焦がすほど、想いがはじけるのを抑えるのに必死で )