コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 変人でっとひーとっ! ( No.11 )
日時: 2010/10/27 00:48
名前: 遮犬 (ID: cLZL9WsW)



二話 変人は最強ステータス


いや…本当、なんでこんなことになってしまったのか。

何で俺と…そこのアホ守護霊と…あ、睨みやがった…もしかして守護霊だから心読めるとか?
それはさておき…何で探偵部にきたのか、それはとある俺のクラスメイトである奴らの会話からで
俺がアホ守護霊と出会う前にふとそいつらの隣を通り、耳にして興味を示したことから始まる。

「なあなあ、部活どこ入るー?」

それは部活動の話のようで、この時期は丁度入る部活動を決めなくてはならない時期だった。
それもこの高校は部活動を必ず入らなければならないというきまりがあったためだった。
部活動の話を持ち出したその男の前に二人、同じような顔をした奴らがいた。
いくら一年生で初々しいといっても顔が顔で何やら貧乏臭いというか幸の無さそうな顔をしている三人。

「俺は相撲部とかいいと思うぜー?」

三人の中で一番普通だと思える男がその他二人向けて言った。

(相撲部?お前の体型明らかにガリガリなんだが。吹き飛ばされるだろ…)

とか心の中で思いつつも堪えてしばし聞いておくことする。さりげないフリをして近づく。
細身でめがねをかけたヲタクみたいな格好のやつがいかにもそれっぽく口を開く。

「…あぁ、そうか。相撲部なー…部員って確か1人だっけ?」

(…は?)

今なんと?1人?
俺が耳を疑っている間に、三人の中で少し大柄のやつが難しそうな顔で口を開く。

「それもその1人の人って幽霊部員みたいだよ」

(それはもう部じゃねぇじゃねぇかっ!)

実はこの学園、絶対部に入れというのにはわけがあった。
それは、部活動が多すぎるのだ。あらゆる部活動が存在する。
全校生徒を平等で割って何とか落ち着くぐらいなもんらしい。
それに裏で活動する部もあるらしく、教師の面々も困り果てている。
顧問するのも部が多すぎて人員不足なため、掛け持ちする真面目な先生ほど倒れて寝込むほど。
にしても相撲部。1人しか人員がいないし幽霊部員って…相当ひどいな。

「あ、幽霊といえば…探偵部とかは?」

格好ヲタクが今気付きましたみたいな顔をして言い放った。

(探偵部?そんなものまであるのか…)

さすがに種類が豊富なようで。
だがしかし、一番普通かと思う男が手を横に振り、今にもため息吐きそうな顔で

「あぁ、ダメだダメだ。あそこは美少女がいるとかっていうけど…なんでも変人共の集まりらしい」

(変人共…?)
その言葉にますます興味を示したのが間違いだったかもしれない。
少し太った体型の奴と格好ヲタ野郎が同時に「どうして?」と、普通そうな男に聞く。
俺からすればまだ入って間もないのにそこまで知りえているお前らも変人の部類だが…。
それはさておき、普通そうな男が自信満々に

「実はあそこ、幽霊とかも扱ってるらしい…。それに変人っていうのは——」

「おーお前らー席につけぇ〜」

まだ新任ぐらいの若い担任教師がドアを開け、入ってきた。

(あぁ…肝心なところが…。にしても幽霊も扱うって…? まあいい。俺には関係のない話…)

と、思っていたのはつい一昨日ほど前のことである。現在の状況を見ればどうだろうか。

椅子に手と足を縛られて動けないようにし、目の前でニコやかな笑顔でこちらを見ている外国人風美少女。

(…気まずいというか…なんというか…これ、別の言い方したら監禁——)

「…新君…でしたかしら?」

あれ?何かキャラが変わってないか?とは思いつつ視線をその外国人風美少女こと、井坂まりあへと向ける

「…返事は?」

「は、はいっ!」

な、なんだろうか…この人、見た目はか弱そうで守ってやらないとっ!ていう男を出させるようなタイプ?
と、思っていたのに…なんだろう…この殺気ともとれる威圧は…。
さっきから汗が止まらない。拭いたくても手が縛られている。

「…あの、手と足、解いてもらえませんかね?」

「じゃあまず、私の質問に答えてくださる?」

即答された。これで答えなかったら何をされるのかわかったもんじゃないなと思った俺は答えることにした

「…えと、なんでしょうか?」

おそるおそる聞いてみるとその笑顔の表情の一部分、眼だけ笑っていない状態で

「…その隣にいる方…その女の子は一体?」

「…え?」

み、見えてる?え、こいつ霊じゃなかったっけ?

いやいや、今日のHRの時も授業の時も!コイツは俺の横にいたが全く気付かれなかった!
たまに殴られて授業中に「ぶへっ!」といってクラスメイトのみんなに不信感を抱かせたのは残念だが…
しかし、バレてはいなかった。どんなときも。

『え…? 私のことが見える…?』

どうやらこのことはこのアホ守護霊も予想外だったようで、愕然とした顔をしていた。
どうやら見えないというのは本当らしい。ていうか見えたら見えたで空中に浮いてる少女…
単にホラーなだけだろう。それともワイヤーアクション?えぇい!今はこんなことをいっている場合では…

「見えてるけど? それに、声もしっかり聞こえているんだけど…?」

井坂さんは真っ直ぐアホ守護霊を見据えた状態で停止している。眼が笑ってないって想像絶する怖さだな。

「あの…霊媒師さんか何かですか?」

「…いえ、探偵ですけど?」

あぁ、あくまで探偵を言い張るわけね。まあいいさ。そんなことはどうでもいい。
なんだか解決できるような気がしてきた。早くこの野郎を排除して欲しいんだが。

『あんた——!』

守護霊が何かを井坂に言おうとした時、思い切りいい音が後ろから聞こえる。これはドアの開く音だろう。

「入部希望者だあああっ!」

入ってきたのは活発そうで、スポーツ万能ということが見た目で分かるような雰囲気をかもし出す…美少女
髪をポニーテールで束ねているが降ろすとかなりの美人キャラだと思う。スタイルも抜群である。
そして、その少女は次に信じられないことを言う。

「ん? あれ? もう"既に3人いる"のか。じゃあ四番目で…」

「「ちょ、ちょっと待った!!」」

俺と守護霊の声が見事に重なる。どうやら聞きたいことは同じのようだった。

『もしかして…私の姿、見えてる?』

そして活発少女から返ってきた言葉は

「当たり前だろ?」

…どういうこった?