コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:         恋時計 ( No.8 )
日時: 2010/10/30 14:59
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: zc76bp3U)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/




 第3話



 
 「ってことで、あんたらは、うちらと同じバンドでーす!!」
 「は?」


 龍夜と孝文は、目を点にしてまぬけな声をだした。
 いきなりいわれたら、吃驚するに決まってるよね。
 絵磨がギター、私がキーボードだったら、あとは、ドラムとベースが必要だ。
 ボーカルは……まあ、絵磨かベースがやればいいかな。


 「……じゃあ俺、楽器なにすればいいんだよ、あと俺野球部もやってるし」
 「野球部は土日だけでしょ、ここは平日しか活動ないから」


 孝文の呟きに、私はそう答えた。つづいて、龍夜が口を開く。


 「俺、ベースする。学校に楽器貸してもらえるんだよな?」
 「もっちろーん、はいってことで、孝文はドラム決定ー!」
 「ええ、ちょ、おい……」


 




 部活がおわり、私は家に帰った。
 そして、すぐにお風呂に入って、勉強して(あんまりしないけど)、ご飯食べるといった調子。
 


 「今日も1日疲れたー、あーあー」



 私は、布団の中にはいって、ぐったりとした。……布団が冷たくて、丁度気持ちいい。
 にしても、今日の優志もかっこよかったな!

 ボールをおいかける優志、髪の毛まで汗ぐっしょりで、青空がなんだか似合っていた。
 帰宅時間、夕日に包まれた優志は、なんだかいつも以上にかっこよかった。


 ……て、私はなにを延々と語ってるんだ、でもそれくらい好きだし、しょうがない。
 そのことを絵磨にはなすと、絵磨は「告白したら?」といった。


 告白。
 私は、優志と付き合いたい……? もちろん、付き合いたかった。
 それには告白が必要だ。向こうがしてきたらいいんだけど、そんなことしてくるはずがない。
 それに、優志が私のことが好きなはずがない。会話も接点もないからだ。


 下手すると、私のこともう忘れたんじゃ……さすがにそれはないか。
 けど、告白したら、顔を合わせ辛いし、片想いは片想いで楽しいし……。


 なにより、フラれるのが怖い。




 時計の音は進む、カチカチと。その音を聴きながら、私は目を閉じた。
 こうしてる合間にも、時間は過ぎていく。
 
 もう後戻りできないことはわかってる、このままじゃ……もう。



 私達は、1秒1秒、大人になっているんだね。
 もたもたせずに、早く行動にうつせばよかったって、今なら思うよ。