コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 ( No.40 )
- 日時: 2010/12/04 18:22
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: zc76bp3U)
- 参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/
第11話
「で、昨日は一緒に帰れたんだ!?」
「そうなんだよ〜もうよかった……」
絵磨は「やったじゃん!」といって、私を褒めてくれた。私もなんだか、すごく嬉しい気分になって、今日も頑張ろうって思えた。一方、絵磨の方もなんとか、怜緒と一緒に帰れたらしい。
「ちょっとちょっと、そこのお二人さん、練習しなきゃ」
凛子先輩が、半ば慌てた表情でそういった。明日はいよいよ文化祭。私達は、ステージに立って演奏することになる。1〜4年生、5〜9年生に別れてみることになるから、計2回演奏しないといけない。
「そっかあ……香織、練習しようか」
「うんっ」
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「七瀬」
「はい」
午後5時、完全下校の時間になり、私は帰る準備をしていた。そんな私に、純也先輩が声をかけてきた。
「お前、かなりキーボードの腕あがったな! 最初のころと比べると!!」
「そうですか……? そういってもらえるなんて、嬉しいです!」
「しかしな、お前にはまだ足りないものがあるっ!」
純也先輩は、そういって自分でガッツポーズをしてみせた。
「えっ、それはどういう……」
「ハートだ! 何事にもハートが大事だ! 今のお前にはハートが足りない! なんかこう……必死さは伝わってくるんだけど、若干冷めてるというか……いや、やる気がないというわけじゃなく……いたっ」
熱弁する純也先輩の背中を、思いっきり里子先輩が叩いた。
「あんたの暑苦しさウザイよ、香織ちゃん困ってんじゃん……」
「オレは正直に感想を述べただけだ!」
「じゃあ簡潔にまとめろっつーの。あんたの話は長すぎんの! ……ごめんね、コイツの長話……」
里子先輩が、微笑みながら私にそういった。
「いえいえっ、別に大丈夫ですよ……純也先輩の人柄は重々承知してますから!」
「そーぉ? だってさぁ、純也!」
「はいはい、これから気をつけるよーだ、ふんっ」
純也先輩は里子先輩にあっかんべーをすると、強引に鞄をもって、音楽室をあとにした。
「アイツはほんとガキだねぇ……大丈夫かな、明日」
「純也君なら大丈夫よ! あの人はああみえて、演奏するときは、すっごいかっこいいし」
凛子先輩が割り込んだ。なんだか、凛子先輩の表情は、機嫌が悪そうにみえた。それもそのはず……凛子先輩は、純也先輩の事が好きなのだ。こうして、里子先輩とやりとりしているところをみると、必ずといっていいほど、里子先輩に突っかかってくる。
「あーかっこいいよね! まじあれは惚れるわぁ、あれだけねっ」
「あれだけじゃないしっ、里子は純也君の本当のことを知らないだけでしょっ」
「あーはいはい、純也君の彼女候補は貴方様ですねー」
「もうっ、だからそうじゃなくて……!」
2人のやり取りが面白くて、私はついつい笑ってしまった。